設計者の私がウォーターサーバーではなく浄水器を選択した理由

ウォーターサーバーと浄水器「どっちがいい?」あなたは選べますか?わたしもかなりの時間使って今の答えを出したのです。というのも、10年以上前の話ですが、わたしはウォーターサーバーの設計を行った経験がありました。家庭や事務所で利用する製品ではなくスーパーに設置される大型の業務用サーバーだったのですが、その時に学んだ知識と現実の差が埋めきれず「選べない」という結果を生み出していたのです。最終的には、出した答えは、残念なお話ですが「利用方法・環境によって違う」という答えです。こんなお話にお付き合いいただける方は先をどうぞ。

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選定のポイント.

結論から言ってわたしは、カートリッジ交換式の浄水器(蛇口取付型)をを選びました。
選定のポイントはいくつもあります。そして調査したタイプは、ウォーターサーバー・据置型浄水器・蛇口装着式浄水器。

  • 設置方法
  • 設置スペース 
  • 設置環境
  • 清掃方法 
  • ろ過性能 家庭用浄水器(JIS S 3241)除去対象物質基準
  • ランニングコスト 
  • 継続利用の問題点
その前に

そもそも水をどうにかしようと考えたのは、仕事でとある土地に一時的(社宅のような感じです)ではあるのですが、住居を構えたのがきっかけです。引っ越した当日の感想が「水がまずい!」でしたがそこは簡単に考えていたのは事実です。ウォーターサーバーや浄水器の設置で何とかなると思っていました。実は、長きにわたって悩まされるとは、この時点では思っていませんでした。

設置方法。

条件で譲れなかったのは、工事が不要。これは絶対条件でした。その為、水道管工事の必要があるのはここで落選です。もう一点グレーゾーンかもしれませんが、ウォーターサーバーは設置条件で転倒防止ワイヤーの取付を指示しています。当然ですね、15~20㎏の本本体がチョットしたタイミングでのしかかってきたりしたら事故以外の何物でもありません。壁に設置用の穴か・・・これは、耐震ゴムで代用するかな。ということで、この時点で据置型の浄水器は選択肢より消えました。

設置スペース。

早々に、ウォーターサーバー(ボトル式)と浄水器(蛇口取付型)の二択になったのですが、色々調査は進めていきました。浄水器は蛇口に取り付けるのでイメージもしやすく、取付も簡単に作られています。あらゆる蛇口の形状に合わせて取り付けられるようなアタッチメントも標準でついていることも多いです。
ウォーターサーバーの場合、外形は平均して、35㎝(幅)×30㎝(奥行)×120㎝(高さ)こんな感じでした。設置場所を考えると、それほど大きくないようですが、落とし穴ありました、コンプレッサーを搭載しているので設置条件として「背面を15㎝以上開けること」、話が違います。そうなると、35㎝×(30㎝+15㎝)×120㎝ 何とも微妙なサイズに。しかも後ろに空間があり、熱がこもる(冬はGの巣に…)+コンプレッサーなどの静電気・・・雲行きが怪しくなってきました。

実は、本心で言うとウォーターサーバーを契約したかったんです。理由の第一に「なんかカッコいい」第二に「冷水・温水は便利」第三に「自慢したい」動機が不純ですみません。

設置場所を改めて考えると、背面の15㎝はどのメーカのものも言われていますが、側面には何も規制がかかっていないメーカーがほとんどで、35㎝プラスの幅を探すと丁度「冷蔵庫の横が、38㎝!」ピッタリと思ったが…冷蔵庫の仕様を見ると側面5㎝の空間を設けて設置との事でNG。設置場所候補はキッチンから離れてしまいました・・・
※奥行きの45㎝は、かなり致命傷に感じました。

気にしすぎかもしれませんが、取説の設置状況などを守らなかった場合、「電気代が多くかかったり」・「製品寿命が短くなったり」・「事故や火災の原因になる可能性もあるので」オススメはできません。わたしは、設計側の人間なので守るべきところは守りたい。

清掃方法。

業務用のウォーターサーバーの設計は、すべての水の流れる部品は手軽に交換可能になるように設計していました。当然、今回ターゲットのウォーターサーバーも同じような設計家と思っていたのですが、客先で見せ居ていただいた何種類かは、内部へのアクセスのできないブラックボックスでした。ここでも少し疑問点が・・・トレイなどの清掃は取説に書いてあるんだけど内部清掃が全くない。モヤモヤが残りますね。

この時期、お客様の所でウォーターサーバー見つけるとランニングコストや使用感を聞きまくっていました。

設置環境。

ウォーターサーバーは、電気を利用していますので、設置環境があって当然です。一部記載のない商品もありましたが、使用環境は5~35°の直射日光を避けた場所となります。最近の夏は暑いので35°は外出時微妙かもしれません。

温度を越えるとどうなるか。

排熱量が上がり、多くの電気を使う可能性がでてきます。本体の温度を下げるためにファンが必要以上に回転したり、電気の利用効率が悪くなるため電気消費量が多くなる可能性があるということです。排熱によって室内温度が上がるかもしれません。浄水器は、電池を利用するものはあっても、電気を利用することはないので問題はないでしょう。

ろ過性能 家庭用浄水器(JIS S 3241)除去対象物質基準。

さすがJIS(日本産業規格)です。家庭用浄水器の規格まであるとは!
細かく内容を確認したのですが水は専門でないので「JISで規制されている13項目」の内容についてお話しできないのですが、水道水の基準から漏れている部分で、取り除くと効果(人体への効果)があるから規格としてまとめられたのだと思っています。

Point

調べてみると浄水器の中には、この13項目に対して除去しきれていない製品もありました。

※JISの規格内では、当該製品の13項目への対応数値を表記することが義務付けられているのであって、〇%以上の数値をクリアーしなさいという規格ではありません。

あれれ?
こう考えると、浄水器は体を考えて「体に良い水を」。ウォーターサーバーは「より体に良くおいしい水を」こういう事なのか?
「より」は、危険ですね。わたしたちの業界では、「過剰スペック」となり、危険な可能性が出てきます

ランニングコスト。

浄水器は 1.000円~1.500円/月 程度のコストがかかります。
ウオーターサーバーについては、3.500円~5.500円/月 程度のコストがかかるようです。

この時点でも、冷水・温水「カッコウよさ」で、わたしはウォーターサーバー派の人間でした。

味。

こうなってくると、どうしてよいのかわからなくなってきます。たまたま見つけた試飲のできるウォーターサーバーのイベントを見つけて飲んでみると。あれ?「それほどでも…」正直な感想でした。そこで全国(おおげさ)試飲の旅が始まるのです。(時間のかかった理由です。)ありがたい事に、仕事が関西地区・東海地区・関東地区にあったため出張の頻度は高かったのです。そして、出張先はビジネス街や商業施設が多かったものですから最初は狙っていかなくても、どこかで試飲会インベントにぶち当たりました。それでも1年以上かかりましたかね…10社の試飲を終えた段階で、またあの感じです「あれ?それほどおいしくない…」良薬口に苦し…嫌違うでしょう!言葉の表現は難しいのですが、「スース―」・「口に残ったり」・「甘かったり」・「鼻についたり」…合っているかわからないのですが、不純物を取り除くことにより残留物の癖が出てくると言うか…この時点では、口に合うものが見つけられていませんでした。

ここでの判断は、妥協が必要なんだ。料理もするわたしにとって、水の癖のある味はかなり厄介に感じたのが正直なところです。

継続利用の問題点。

ウォーターサーバーは、宅配で送ってくれるので、受け取りさえできれば問題は全くありませんでした。浄水器のフィルターはという今は通販もかなりありますので問題ないでしょう。

浄水器への選択。

いつでも冷水・温水、カッコウ良さ、などで選びたかったウォーターサーバーもわたしには合っていなかったようです。ただし、「水がまずい」は許せませんでした。一時的とは言え、我慢が出来ずせっせとペットボトルを買い集めていたのが実際でした。でも、我慢できんとウォーターサーバーを諦め、浄水器を考えたのは1年以上たってからでした。

浄水器の選定。

ウォーターサーバーでの経験を活かし「試飲したい」と思ったのですが、あるのは水道工事の必要な据置型の浄水器ばかりで、蛇口に取り付けるタイプの浄水器での「試飲会」は皆無でした。1年粘ってこれは・・・「よし、買っちゃおう!」調べると1式で1万円しないものも多く、自分の中で予算を決め3種の蛇口取付型の浄水器を購入しました。

試飲⇒土地が違うと 品質問題。

お話しした通り試せる場所は、自宅と社宅の2か所があったので半分は生きるだろうと単純な考えです。そこで、4種試したのですが、さらなる問題が生まれました。
水道は、地域が変わると味が違う!関西でおいしいいと思った浄水器が、関東ではウマクなかった。そして、おいしい水が飲みたいわけでないことも気が付きました。コーヒーにお茶に紅茶に…料理においしい水は、水そのものがおいしい必要はないと。

因みにわたしが選択したのは、トレビーノです。メーカさんに怒られてしまうかもしれませんが、我が家(関東)の水道にも、社宅(関西)の水道にもマッチしていて、料理・コーヒーその他に一番マッチしたように感じます。※個人の感想です。さらには、取付方法も初期段階から対応の蛇口形状も多く、分解清掃も楽。コストも安め、取付も簡単です。

まとめ。

ウォーターサーバーを探して始めた活動なんですが、最終的に浄水器に落ち着きました。我が家のように、分譲だったり、社宅のように賃貸だったりには設置場所も決め手になる場所がなく、先ず設置が難しい。そして「おいしい水」は、万能か?という事では違うことも感じました。浄水器は品質問題で不安定なところもありますが、友人宅も利用しているところを見ると、浄水器として100点ではなくても及第点を取れることが必要なのでしょう。

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Posted by クロ