マシニングセンタの種類と特徴【3軸・5軸】

マシニングセンターと言っても、それなりに種類と特徴があります。ポイントを抑えておけば設計に反映することも可能です。でも細かなことまではと思うのが普通の考え方となります。加工は加工屋さんにお任せな設計さんも、これから加工に携わろうとしている方もこれだけは覚えてほしい!単純だけど再確認なご案内です。

今回の目線かこちら

  • マシニングセンターの種類
  • 3軸の動き
  • 5軸の動き

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マシニングセンターの種類。

マシニングセンタは―大きく分けると3つに分かれます。3つの種類にはそれぞれ加工にメリットデメリットがあります。どのマシニングを使うかまでは設計段階で考えることは少ないでしょうが、特徴をつかんでおくとコストを下げる手助けになるかもしれません。

立型マシニングセンタ(3軸)

工具をつける軸が垂直についています。加工は、上から下に工具を当てることにより行います。削り屑がその場に残るため、加工工具を傷つけたり製品を傷つける可能性もあります。その為、有人に近い加工が得意とされています。例えば、少量。多品種の製品は立型マシニングセンターの得意とする分野と言えるでしょう。加工機の大きさが割と小型のため設置スペースは少なくてすみます。

加工対称面:上面の1面だけが加工可能な面

横型マシニングセンタ(3軸)

工具をつける軸が水平に付いています。加工は右から左などのように水平に行います。横型マシニングセンタは、加工動力が横についていますので、その分加工機としての幅が大きくなります。(立型マシニングセンタは上部に加工動力が付いています)横から加工することにより、削り屑が重力で下に落ちるため、削り屑がたまるようなことも少なく長時間の稼働が可能になっています。ターンテーブル・パレットチェンジャーなどがついていることも多く、削り屑の問題もクリア出来ているため量産品などの長時間運転に向いています。

加工対称面:側面と呼ばれる面

門型マシニングセンタ(3軸)

かなり大型のマシニングセンタです。イメージとしては、ガソリンスタンドにある自動の洗車機のような形状で、大型の製品に向いています。基本は、立型の上から下に加工を行いますが、先端アタッチメントの変更により製品の5面(側面4面+上面の5面)を加工が可能な加工機もあります。

3軸の動き。

3軸の動きは、上下 左右 前後 になります。

例えば
横型マシニングセンタの場合
目の前で指で何かを指すように手を作って動かしみてください。
👈
指の先に加工したい製品があるとします。
 上下に動かく軸(Z軸)
 左右に動かす軸(Y軸)
 前後に動かす軸(X軸)
これが3軸の動きになります。

立型のマシニングセンタは、下向きに加工を行いますので、下に向けた指先をイメージすれば同じことになります。👇
3軸は、立型=上面の1面・横型=工具をに向いている1面の加工が行えます。
3軸の場合、どうしても加工範囲に工具が入らない場合があります。その場合、人が製品の向きを変える事が必要になります。

5軸の動き。

5軸と言っても2種類あるんです。工具側に2軸追加される場合と、加工テーブルに2軸追加される場合です。

  • 工具側に2軸追加される場合は、先程の3軸(XYZ軸)に追加して手首が前後+回転のように動く軸が増えます。
  • テーブルに軸が増える場合は、テーブルが回転で1軸、更にブランコのように左右に触れることで1軸追加の2軸になります。

どちらも、メリットは、1回でより高度な加工が行えることです。

まとめ。

3軸でも5軸でも加工を行うのは加工工場なので、加工方法を覚える必要はないと思っています。ですが、加工する加工機の特性である切削加工の特性は覚えたほうがいいと思っています。
3軸・5軸どちらでも加工品の6面すべてに加工を行おうとすると、必ず人の手が必要になります。製品の向きを変えなくてはならないからです。
もうご理解いただいていると思いますが、なにをするにしても人の手が一番の不安要素です。作業のばらつき・間違い・ポカミスと・・・
切削作業においてテーブルへの付け替え(製品の向きを変える作業)は、可能な限り行いたくありません。何故なら加工品がズレル可能性があるからです。その部分を考えると、6面全面からの加工の必要性のある設計はどうしても避けたくなるところです。