切削(フライス)工具が分かれば加工が分かる-フラットエンドミル

工具の特徴が分かると、得意な加工が分かる。得意な加工が分かると、設計に反映できて、コスト・納期を有利にできるかもしれないです。フライス加工経験者は、必ずと言ってよいほど利用経験があり身近な工具ですが、利用経験のない方には「なにがなんだか?」・「なんとなくは分かるけど…」これ正解ですね。そんなあなたへ、基本的な使い方と特徴をご案内していきます。

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切削加工の情報整理。

ここ数年ですよね、卓上CNCフライスが数万円で購入出来たり、3D-CADが条件ありながら無料で利用できるようになったり、モノづくりが身近になってきています。数年前までは、情報すらなかったのに…ありがたい時代になりました。ですが、逆に情報が多く答えにたどり着くのが難しくなったり、理解しにくい専門用語になったり面倒です。そこで、一度情報の整理を簡単にしますね。

フライス加工と旋盤加工の違い。

フライス加工は工具(刃物)を回転させて、対象物(製品)を削りだします。
旋盤加工は、対象物(製品)を回転させて、工具(刃物)に押し当て削りだします。

工具(刃物)・対象物(製品)どちらが回転・固定されているかでフライス・旋盤は切り分けています。

共通点:削り加工を行うことと、多種の工具(刃物)を巧みに使いあらゆる形状を削り作り出します。
エンドミルは、フライス加工の工具(刃物)の1つです。

フラットエンドミルの紹介。

先にお話ししたように、フラットエンドミルは加工者のだれもが一度は使ったことがある工具です。その理由は、高い汎用性のある加工が可能だからです。切削加工において汎用性のある加工は、工具の交換回数を減らす事につながるというのもフラットエンドミルを選択(利用)する理由でしょう。

形状と加工範囲。

形状は図で確認してみてください。合わせて図の中に加工できる部分に赤線を引いておきました。

形状と加工範囲

右側の形状は、フラットエンドミル1本で加工できる基礎的な形状です。

フラットエンドミルの進化。

切削加工の問題点に、工具の消耗・破損があります。その原因の1つにキリコの問題があります。削りだしたキリコが排出されず、工具を破損させてしまったり、焼け付いたりしてしまう場合もあります。そこで考え出されたのが、キリコを今まで以上に細かく削りだす方法を可能にするエンドミルです。工具一つかもしれませんが、基本的な工具であるフラットエンドミルも進化をしているのです。

工具としての特徴。

基本工具であることはお話ししていますが、基本工具のわりに思っているより無理は聞きません。底面(底刃)をフラットにするために、先端左右の角度が90°と鋭角に近いため「もろい」です。それでも加工は、溝の加工・肩削り・粗削り・仕上げなどに使われる万能工具であることは確かです。

刃の枚数。

刃の枚数は、割と単純な考え方ができます。枚数が少なければ、工具全体の隙間が多くなりますので、キリコの排出能力が高くなります。ですが、本体の肉が少なくなるので、もろくなります。逆に刃の枚数が多ければ多いほど、エンドミル・工具としては強いのですが、キリコの排出能力は下がります。

まとめ。

加工工具として初めてのご案内で、情報も多いフラットエンドミルでしたので簡単なご案内ですが、今後は、加工できる形状を中心に色々な工具をご案内できればと思っています。