【板金設計】設計検討 部品を減らす努力していますか?

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こんにちはクロです。
設計が終わった後
どこをチェックしています?
機能?嵌合?穴位置?
少し目線を変えて見てみませんか?
今回はそんなお話です。

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設計後、初期の段階でVAしちゃいましょう

私もそうですけど、機能を重視すると部品点数上がりませんか?
なぜかって?部品はその部分単体で考えたほうがミスも少ないし、作業(CAD設計)も早くなる可能性があるからだと思っています。
機能が満たしているのかや、嵌合できるのか、ネジが締まるのか重要ではありますが部品点数を減らすと更にいいことがあります。

部品が少ないと、どんないいことがあるの

部品点数が減ることにより得られる効果は?

  • 部品の管理が楽になる。
  • 組立時間が短くなる。
  • 部品価格が安くなる。

細かく見ていきましょう。

部品の管理が楽になる

部品管理は、最低条件として発注・受け入れ・在庫この3点の管理が必要でしょう。部品テンスが減れば減るほど管理は楽になり必要な時間も少なくなるでしょう。最終的には製品の価格を抑える動きになったりと、見えにくい部分でのコスト削減につながります。

組立時間が短くなる

単純なものではないのですが、組付ける部品点数が少なくなれば組付ける時間は少なくなる可能性ああります。例えば10個組付けるのと、3個組付けるのでは3個のほうが早kジュ終わりそうですよね。「単純なものではない」というところもあるのですが部品点数が少ないのは、メリットの可能性の方が高くなります。

部品価格が安くなる

以前ご案内した 簡単板金見積り超基礎編!必要な知識から4辺曲げまでやってみる
部品点数が多くなると、その分だけプログラム費用や各工程に人工費は増えますので、コストが上がる可能性が高くなります。

闇雲に2つの部品を1つで代用できるように設計をしましょう!と言っているわけではありません。可能な部分を見つけ経験とすることが必要です。

単純な部品を減らす例

先ずは単純な例でお話をすすめましょう。
最初の状態の図面です。

ハット金具溶接

平板に、ハット型の金具を2つ溶接している部品です。

目的:ハット型の金具の穴を利用して部品を固定したい。
条件:取り付ける部品が熱を持つ可能性があるため、平板に触れたくない。
最初のアプローチとしては正解だと思います。
各部品を個別の設計を行い配置する事により、高さの確保・取付ピッチの位置決めが正確にできるからです。

この3つの部品を1つにすると、下図のようになります。

切り起し

図面は、ハット型の金具を平板から切り起しています。

これで3部品が、1部品になりました。

実際の工程を考える

どのくらいの工数が減るのか考えてみます。

溶接で作る切り起す
加工データ作成2種の部品分1種の部品分
材料費平板+ハット金具2個分平板
レーザー加工費2部品分1部品+くり抜く
曲げ加工費ハット曲げ4×2個起こし2×2
溶接加工費4か所なし

見るからに切り起すほうが安くできそうです。

まとめ

部品を減らすことは、管理面・コスト面でメリットは非常に高いです。是非トライしていただきたい項目ではあるのですが、無理な設計にならないようご注意下さい。
設計はできたが、組付けが難しいなど別な部分でコストがかかってしまっては本末転倒です。先ずは、部品点数が多くなっても小分けの部分設計を重ね、設計検討のタイミングで部品点数を減らす努力をするのが良いのではと思っています。経験を積んでいくことにより初期設計で対応も可能になっていきます。普段から見るモノの構造、内部機構などを考えて生活するのもプラスになることでしょう。

こんな事ができるようになってきたのも、3DCADのおかげな部分も多いのですが。