板半?半引き?何のこと!【板金溶接の知識】曲げR準拠の指示とは?
こんにちはクロです。
みなさん「溶接」思った通りに出来てます?
出来上がりに満足されていますか?
少しのことで、強度も・見た目もしっかりした溶接!
今回はそんなお話です。
先ず溶接とは
2つ以上の母材に熱・圧力などを加え連続性のある1つの母材へ接合すること。
文字通り溶かして付けるんですね。
ここで問題なのは、強度です。
溶接した部分は、本来の母材と同じ強度を保つということです。
加工定義
今回のお話では参考図のような箇所を溶接します。
この形状だと、内側・外側共に溶接して、外側はサンダー処理などが必要です。
更に、熱がこもって変形する可能性もあります。
回避方法はものすごく単純です。
溶接接合する部分を儲けます。
SPHC=1.6㎜
溶接接合部分の作成
次の参考図を確認してみてください。
参考図では、板金の板の半分(0.8㎜)短くしています。
※板の半分 = 板半・半引き などと呼んでいます。
見難いので拡大
上部から確認すると
1.6㎜×0.8㎜の欠けた空間があって、そこを埋めるように溶接すれば、溶かし流し込むことができ溶接後の強度がぐんと上がります。
※上部から見た形状で、扇形に溶接します。
後処理での見た目
溶接後、底面の曲げRに合わせてサンダーをかけることにより製品全体のRも揃い、見た目もきれい・強度も問題なしの製品が出来上がります。
まとめ
溶接後、「少しの衝撃で溶接がはがれてしまう」こんなリスクや「ここは溶接したな」なんて見た目の問題を書き決する方法です。
勿論、図面で支持をして工場にお願いすることも可能です。
「溶接部分は曲げRに準拠すること」なんて書いておくと対応していただけると思います。
設計段階の話になってしまうのですが、出来上がりをイメージした設計を心がけるとこのような要望も出しやすいかと思います。