【板金加工】板厚とネジの関係!関係が悪いと締まらない!
こんにちはクロです。
板金加工に係らずネジを使う組付けって結構ありますよね!
ネジの強度計算はかなり面倒ですけど、それ以上に板金設計の場合はネジが締まるかどうかが肝心です。計算する前に目安があると…なんて思いませんか?
今日は、このポイントは抑えましょうネジと板金の関係。
基本で見るのは太さとネジピッチ
当然のことではありますが、ネジは適当に作っているわけではありません。
明確な規格のもと作られています。今回、例に挙げるのはJIS B 0205-2/JIS B 0205-1に則ったネジの規格でお話ししていきます。
JISの基準になるのは太さとピッチ。
太さ
太さ ⇒ ネジの呼び とも呼びます。
M3 M4 M5 … など
ピッチ
ピッチとはネジが一回転する時に変化する高さ。標準で二種類の規格があって 平目/細目 と呼ばれている。
サイズは 0.5㎜ 0.7㎜ 1.0㎜ … など。
※特殊なネジもありますが、入手しやすく価格も安いので手ごろに使えるネジとなります。
ねじの呼び(太さ) | ピッチ(平目) | ピッチ(細目) |
M2 | 0.4 | 0.25 |
M3 | 0.5 | 0.35 |
M4 | 0.7 | 0.5 |
M5 | 0.8 | 0.5 |
M6 | 1.0 | 0.75 |
M8 | 1.25 | 1.0 |
M10 | 1.5 | 1.25 |
※ピッチ(細目)は、規格では存在しているが、対応していない工場もある。
ピッチと板厚の関係(板金加工)
「ネジを締める設計を行う中で何回転必要ですか?」とよく聞かれます。
基本は最低3回転です。3回転が確保できなかった場合の対処法はいろいろとあるのですが、今回は確保する設計を行う!ための話ですので…
例えばM5平目の場合 ピッチは0.8㎜です。
板金にタップを入れる場合、最低3山(3ピッチ)欲しいと言われます。
故に 0.8㎜ × 3山 =2.4㎜ となり、2.4㎜以上の板厚にならネジを締めることが可能となります。ですので、設計段階で2.4㎜以上の板厚を選んで設計すれば、ネジ山の確保もできますし、設計変更のロスなどで無駄な時間を費やす必要がなくなります。
まとめ
ネジと板厚には切っても切れない関係があって、悪い関係で設計を行うと破損の原因になってしまいます。事前にご注意ください。
最後に板厚から見た一覧表をつけておきますので、上手にご利用ください。
ネジの呼び(太さ) | ピッチ(平目) | 最低板厚 |
M2 | 0.4 | 1.2㎜以上 |
M3 | 0.5 | 1.5㎜以上 |
M4 | 0.7 | 2.1㎜以上 |
M5 | 0.8 | 2.4㎜以上 |
M6 | 1.0 | 3.0㎜以上 |
M8 | 1.25 | 3.75㎜以上 |
M10 | 1.5 | 4.5㎜以上 |
薄板板金と呼ばれる板金は厚さにして6.0㎜以下程度です。(各工場判断もありますが)それ以上になると厚物と呼ばれ工場が変わってきます。
薄板と厚物の違いに関しては、また♪