板金工場で加工 illustratorでDXFの書き出し意識できていますか?

シートカッターやレーザー彫刻機など、かなりの分野でイラストレータのデーターで加工が可能になってきていますが、まだまだCADとの相性は悪いと言えるでしょう。「出力する側」も「受ける側」も意識があればハードルは低くなるのですが、まだまだ問題も多いようです。ちょっとの手間で行き来のしやすいデータづくりを心がけましょう。ご存じかもしれませんが、ちょっとしたコツを伝授します。

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何ができないか理解して欲しいこと。

DXFで書き出せる=加工ができるではありません。illustratorを利用される方へのお願いは多くあるんです。というのも、加工できるように変更は工場(CAD)でも可能なのですが、デザインが変わる可能性があります。デザインを重視されるデザイナーさん(illustratorを使われる方)は、若干でも変更を嫌うのは十分わかります。ですが、そのデータだと加工ができないんです。少しだけ歩み寄っていただけないでしょうか?そんなお話です。

単位の設定。

illustratorの長さの単位設定できています。ソフトとしての設定・シートとしての設定・ルーラーの設定全部が同じ設定で初めて効果が出てくるんです。どこか一つだとCADでは元のサイズが分からない場合があります。更に問題は「px」・「ポイント」でのシートからのDXFへの変換です。ご存じです?「px」は、解像度で長さ変わるんですよ。dpiの概念はCADにはないので、「px」出力のデータは全て確認が必要になります。「ポイント」は、1インチの1/72ですので0.352…㎜です。「どうしろと?」レーザー加工を希望されるならillustratorの設定をしっかりお願いします。

一筆書きで、できていない。

illustratorは、一筆書きでできていないくても表現できますよね。ですが、実際の加工の場合、一筆書きでないと切り取れません。加工データを作る際に見つけることはできるのですが、適当にラインを繋ぐわけにいかないので、作業が止まります。製品の中に開口をあける場合も同じですね。切るラインはすべて一筆書きになるようにできると工場はありがたいです。何となくのデータはCADは許さないんですよね。

円が書けない。

CADから言うとillustratorは、「円」が書けないです。円弧を2つ繋いで円に見せた形状を作っているだけなんです。「見えるなら何が悪い!」そうなんです、その気持ちもわかるんですが、円が書けない=すべてベジェ曲線で書かれると言うことです。ベジェ曲線は、CDAで言うスプラインと呼ばれる曲線につながるのですが、CADのスプラインはデザイン(見た目)は、気にせず形状優先の描写ですのでillustratorのように美しいラインは出ないんです。illustrator変換DXFにすると以上にデータ量が増える場合は注意が必要です。
※ベジェ曲線とスプラインの話は長きにわたって決着が付いていない話なのでここでは控えます。

円弧×2

1つのデータで全部を渡す。

illustratorに比べるとCADでの利用データは量少ないです。通常のillustratorのデータ(.ai)は、2重・3重にデータが存在しているためデータ量が大きくなるのですが、DXFは、座標データしかありません。ですので普段利用されるデータ量は非常に小さいで。「1MB」越えるなんてものはDXF的に言うと「BIG-DATA」です。大きなDXFの中にいくつかのデータが存在していると、それを分けるだけで多くの時間を必要とします。設計部品だと1部品・1図面が考え方としてありますので。

形にならないデータ。

切文字などの依頼の場合よくあるのが、文字の中が抜け落ちてしまうデータでの加工依頼です。抜け落ちて良くても、その情報を工場に渡さないのは罪です。抜け落ちて問題があるなら、抜け落ちないデータに変換する必要があります。

文字は加工後、「問題なし」・「バラバラ」・「フォントによりバラバラ」・「抜け落ちる」この4パターンに分かれますので依頼前にご注意ください。文字を切り出すか、文字を切り抜くかによっても違います。

板金工場と看板工場。

あなたはあまり意識されていないかもしれないのですが、「看板工場」意識されていますか?板金工場に近い設備を持っているのですが看板やディスプレイ商品・内装設備などを専門に加工する工場で、精度より美観を重視した加工を行う工場です。本来のillustratorのデータで加工を行う場合は、こういった工場の方が向いています。工場自身でCADの他にillustratorを所持している可能性も高く、データの調整をしていただける可能性があるからです。

CADしかない工場との調整。

illustratorを所持していない工場との調整をしようとすると見てる画面が違う可能性があります。あなたはillustratorのデータ、工場はCADデータ。これでは、細かな調整は時間がかかったり、うまくいかない加工性があります。

まとめ。

可能であればDXFでの加工ではなく、illustratorのデータ(ai)で加工のできる工場を探しておいた方が良いかもしれません。どうしてもの場合は、illustratorの書き出しにご注意ください。