【基礎の基礎】これだけは抑えておきたい3DCADデータの知識

2022-06-01

3DCADのデータの取り扱いで問題が起こったことありませんか?
日々の製造現場では大小ありながらも、トラブルは頻繁に起きています。理由としては明確な教育がされていないからだと思っています。調べればいくらでも情報はいくらでも出てくるのが問題なのでしょうか?
「各技術者が個人で調べた知識が個人の標準になっている。」といった感じでしょう。難しい情報はいらないのです。シンプルに理由付きで覚えられる情報があればそれが一番です。

今回の目線はこちら

  • 設計の順番・戻らないような設計・大胆に戻る必要性
  • 段階を踏んで設計を分ける必要性
  • 詳細設計の種類

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3DCADデータの分類。

今回は本当にシンプルに行きたいです。
3DCADのデータは大きく2種類に分かれます。ネイティブファイルと中間ファイルです。

ネイティブファイルは、そのCAD固有のデータ保存方法です。
例えば 

  • Fusion360なら  f3d
  • SolidWorksなら  sldprt などです。

各CADは通常保存を行うと、このような拡張子で保存されます。

中間ファイルは、異種のCADとの間での受け渡しを目的に作られるファイルです。
工場への直接依頼時、商社への依頼時、目的は違えど
AというCADから⇒BというCADへデータを受け渡すときなどに使われます。
多くのCADは、多数のフォーマット形式(色々なCADデータ)を読み込めるように設定していますが、相性の悪いものもあります。その為、中間ファイルでの受け渡しが通常となるでしょう。

  • ネイティブファイル 設計を行うCADで保存する形式
  • 中間データ 他のCADと受け渡しを行う時に使う形式

ネイティブファイル中身と落とし穴

ネイティブデータの中身はなんでしょう?もちろん形状の情報が入っているのですが…形状以外の情報は何が入っている?

一番の特徴は、形状を作成の履歴が残っている事です。これは中間ファイルにはありません。そのため、部分的な変更が非常に楽です。(設計時間の大幅削減につながります)ですが、形状履歴がすべて残っているので、データとしての大きさは大きくなります。

次に注意すべき点ですが、そのPC個体に入ってるデータを使った場合、受け渡しが面倒になる可能性があります。よくわかりませんね、簡単に説明します。

  • A社では、普段よく使うネジのデータをPCのフォルダー1に入れてあります。
  • 設計時、フォルダー1からネジデータを呼び出して設計を行います。
  • そのままPCで保存すると、ネイティブデータには、「フォルダー1のネジを使う」という情報が記録されます。

ここで問題です

  • 別なB社のPCにそのネイティブファイルを持って行って開くとフォルダー1がないため「ネジのデータが見つかりません」となります。

複雑な設計になればなるほど、多数の部品を使うために不足情報が多くなる可能性があります。ネイティブデータの受け渡しは十分注意しましょう。

中間ファイルの種類と中身。

中間ファイルは、CADどうしの受け渡しを目的に使われるファイルです。
代表的なもので Step Stl などがあります。有償・無償は別にしてほぼすべての3DCADで読む込み・書き出しが可能だと思われます。

ソリッドモデルとサーフェスモデル。

中間ファイルの利用方法や特徴をザックリお話ししましょう。
大きく分けると2種類です。ソリッドモデルとサーフェスモデルこの2種類になります。
2種類の一番の違いは、利用目的です。

ソリッドモデル

このファイルの特徴は、ソリッド⇒個体 という部分です。
データの情報の中に「中身が入っている」という情報があります。
この情報があると、鉄・ステンレス・銅など材質変更による計算が瞬時に行えるのも特徴の一つです。代表的な拡張子はStepで、CADでの作成時ネジなどの情報も変換することが可能です。利用方法としては、設計はもちろん、加工機のデータ作成を行うCAMでもよく利用されます。

サーフェースモデル

名前のサーフェースですが、「面」を表しています。データの中では面だけで形状を作る特殊な形状です。青森県で有名な「ねぶた」のように中は空洞です。もう一つ注意が必要なのは、面自身に厚みはないです。本当に特殊なデータなのですが、データの利用としては「3Dプリンター」の加工データに使われることが多いようです。
代表的な拡張子はStlで、データ作成時、ある程度データ量を選べるのも特徴の一つです。
データ量を選べる理由は、作成時の粗さのようなものが関係しています。
きれいな表現をしたい⇒データ量は多くなり⇒高スペックのPCが必要なる。

中間データ作成時の注意点です。
ネイティブデータ ⇒ Step 〇
ネイティブデータ ⇒ Stl 〇
Step  ⇒  Stl 〇
Stl   ⇒  Step 限りなく×に近い△
StlからStepへの変換は、先ず出来ないと考えておいた方が良いでしょう。

 ※3DCGにも利用されますが、本ブログでは取り上げません。

受け渡しの注意・変更の注意。

3Dデータは、データの受け渡しに注意が必要です。ネイティブデータでは、部品の欠損の可能性があります。Step・Stlなら大丈夫と必要以上のデータを渡すと、スペック不足で開かない・動かないの可能性もあります。受け渡し時は、必要な部分だけを渡せるようにしましょう。

変更点の注意。

変更点は、必ずネイティブデータの変更を忘れないようにしましょう。
現場で経験した事例で、「簡単な修正なのでこちらでやっときます。」その後加工納品。
依頼先で評価後、再度試作となりデータをいただくと「修正されていない」。このような事は通常にあり得る事です。面倒でも再度「中間データ」を渡した方が良いですね。

まとめ。

ネイティブデータは、受け渡しに向いていないことがある。受け渡しには第一候補で「Step」要望があった場合のみ「Stl」を選びましょう。
ファイルの受け渡しは一方通行なので、修正は必ずネイティブデータから。
受け渡しファイルの作成時は、必要最低限にすることを心がけましょう。