コストを下げる板金筐体設計のコツ 重要なのはバラシと相談先

無人販売のレジや無人配膳機、EV車の充電器、街中にあるレンタル自転車の駐輪場、。ここ数年で多くの新しいサービスが提供されてきています。そこを支えているのが、多種多様な筐体です。このページを見ていただいているあなたも「会社から要求された。」・「設計の依頼が多い。」・「自分で何か作りたい(アイデアがある)」そんな方なのではないでしょうか。
どんなサービスもそこには料金が発生しコストが存在します。コストには、削ることが「可能な部分」と「不可能な部分」があります。筐体は、形状・作り方によってコストが大きく変わります。実は板金加工のコストは、納期と密接な関係にあるんです。その関係からコストを下げるコツを見ていきましょう。

コストは工数、工数は納期。

拍子抜けかもしれませんが、言葉の通りなんです。
工数=時間
時間=加工機の加工時間・作業者の作業時間です。
手間のかかるモノの値段が安くなるわけも、納期が速くなるけもありません。そうなんです、工数が少なくなれば、自然にコストは下がります。

工数はだれが決める・どこで決める。

基本は、見積りを上げる営業さんか、その工場に存在している「バラシ屋さん」です。

バラシ屋さんは、「プログラム」・「CADチーム」・「CAMチーム」色々な呼ばれ方があります。

バラシ屋さんは、何をしている。

頂いた図面や3Dデータから頭の中でその製品を作っていきます。その際にポイントとして次の事を重視して行きます。

  • 会社の設備で対応可能な方法を第一に
  • バラシを考える
  • 設備で切れる・曲がる
  • 1曲げで複数曲げる
  • 同じ部品を1枚ごとに曲げない複数同時に
  • 溶接距離を可能な限り短く

このような事を考えていきます。

会社の設備で対応可能な方法を第一に。

これは普通の考え方ですね。外注を利用せずに可能な限り自社で対応できる方法を考えます。どうしても、外注しなくてはいけない部分を先に洗い出し、見積り依頼するのも関係してくるからです。

バラシを考える。

板金筐体は、1パーツでできないモノの方が多いと言ったほうが良いかもしれません。素人目で見て、簡単な形状に見えるので、1パーツでできそうな筐体も2パーツ・3パーツにした方が良い場合も多数あります。このように筐体という1つの製品を作るために、安く効率よく作る方法を考える行為が「バラシ」となります。

設備で切れる・曲がる。

バラシが完了すると、自社の設備で製造可能かを考えます。ここで、設備では対応が難しいとなると、外注を考えるのか、再度バラシを見直すのかとなるのです。

1曲げで複数曲げる

自社と外注の切り分けが出来たら、効率を考えます。同時に2箇所曲げることができるか検討したり、板厚の統一が可能かどうかの検討と相談です。

同じ部品を1枚ごとに曲げない複数同時に。

同じ形状の部品が多数あった場合などの加工効率を考えます。加工機をいかに動かす時間を少なくするかを考える時間です。例】L型の金具を1台で15個利用・100台こんな状況の時、1.500回も曲げるのは大変です。これを、100回にする方法などを考えるのです。

溶接距離を可能な限り短く。

溶接コストは長さとイコールです。可能な限り短くするのがコスト=納期が見j比較なります。状況によっては、再度バラシに戻します。

他にも、輸送を考える。

その製品の大きさ、数量が宅配便で送れるのか、チャーター便が必要なのか、自社分で配送できるのか、お客様の指定先まで届ける所まで考えます。

工数を下げる為に板金設計のできる3D-CADを使う。

最近の3D-CADには、シートメタル(板金)を設計できるモノも多数出てきています。「シートメタルで設計を行うと何が違うのでしょうか?」よく聞かれる質問です。これは、実際の加工を想定してソフト上で描くことができるようになっているので、ソフト上で描きにくい形状は、コストが上がる(加工が面倒・特殊な設備が必要)。こう思っていただいて問題ないと思います。逆に言えば、ソフトで描ける形状は、既にコストダウンを測っていることになります。それでも癖があって思ったような形状を作るのは大変なんですけどね。

部品をつける方法を意識する。

3D-CADを利用してよく目にするのが、「部品が他の部品にめり込んでいる」・「空中に浮いている」・「無駄に大きい部品がある」これがトップ3でしょうか。
どれも、どうやって固定するかを考えれば気が付く事例です。ネジ止めなのか、溶接なのか、リベットなのか…この行為は、見積もり段階で発見すれば見積りが止まります。再設計の必要があり、コストには変更はないかもしれませんが、納期には関係してきます。

筐体設計をどこかに依頼するなら。

あまり大きな声では言いにくいのですが、設計事務所に筐体設計を依頼しても「ベストやベター」の答えは出ないかもしれません。設計事務所は、作り方は考えませんので必要以上にコストがかかる場合が多いです。それならば、ネットで調べた板金屋さんに手書きの絵をお願い⇒相談、した方が良いかもしれません。時代じゃないかもしれませんが「モノづくり」は泥臭い所から脱し切れていません。

まとめ。

バラシ屋さんと同じことはできなにのですが、同じような考え方の補助で3D-CADのシートメタルがあると思ってください。使いこなせれば、設計ができた段階で既にかなりのコスト削減にはなっています。そして、相談先は加工先で外注の設計はあまりお勧めしません。「なぜって?」設計事務所は設計が仕事で作る必要がないからです。お客様の要望をいかにり入れるかで、モノづくりのコストは二の次になるからです。自分で設計できるのが一番なんですけどね


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