【板金加工】 曲げに近い穴加工ズバリ答えます。

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こんにちはクロです。
とうとうここに決着です。
曲げ部分に近い加工!
これ変形しますよ。
設計後に
このような事を言われないようにします。
逃げの距離

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ズバリ簡単な計算方法

以前、製造部logでは最小曲げ幅のお話をしたかと思います。今回の問題はその延長線上にあります。
ズバリ計算方法は (板厚×3~10)金型選定 ⇒ 金型Vサイズ ÷2×√2 です。
あまりに唐突で分かりにくいかもしれませんので、紐解いていきます。
板厚=加工物の板厚です
3~10 以前お話ししました Vの近似値です。
2で割ったり √2は 定数とお考え下さい。

実例で再確認

簡単な図面を用意しました。
材質=SPHC
板厚=1.6㎜ 形状は図面の通りです。

図面から見ると φ10.0㎜の穴の下部が底面より7.0㎜のところにああります。
先程の公式に当てはめると。
1.6㎜×6倍 = 9.6㎜ ≒ V10(曲げ金型)
V10÷2×√2 ≒ 7.07㎜ 
この計算より 7.0㎜程度離れていれば、ということになります。

何故7.0㎜になるの

金型のサイズで変形の干渉部分は決まります。
図のように曲がり切った状態を見た時に、金型から出ている部分は干渉される可能性が低いのです。V10の場合斜面は、先程の計算より 約7.0㎜となりますので、曲がる際の金型干渉による変形の可能性が非常に低くなります。

穴以外も大丈夫?

曲げ近辺への加工は穴(貫通穴)以外にもバーリングや成形の可能性もあります。その場合は残念ながら、その形状次第となりますので、この計算は当てはまりません。
その場合は、都度確認が必要でしょう。

まとめ

板金加工において曲げ加工に近い穴の質問は多数いただきます。今回の記事で決着がつけばとも思うのですが、以前ご紹介した「板金曲げ!何㎜まで曲がるの?小さく曲げるズバリお答えします。」でもお話しした通り、加工依頼工場が、その金型を持っていないと加工不可となり再設計が必要になる可能性があります。難しい話かもしれませんが細かな部分を相談できるコンサルさんとか工場とかを持っていると、今回のようなストレスはなくなるでしょうね。
現在はECサイト感覚で、金属加工部品の発注ができるところも多いようですので少しハードルが高いでしょうか?