【板金加工基礎】最小曲げ以下の曲げが必要!どうする?

以前お話しした「板金曲げ!何㎜まで曲がるの?小さく曲げるズバリお答えします。」を見ていただいた方からご質問いただきました。どうしてもそれより小さい曲げが必要だった場合、どうしたらいいですか?ありますよね。そういったこと。「できない」はないんです。特に「できない」と言うな。常に「○○したらできます。」の回答を探していかないと板金屋さんは仕事なくなっちゃいますもんね。金属加工は、まだまだ知恵で対応でするところの多い業界です。

スポンサーリンク

大きく曲げて、切ってしまえ。

長さが短くて金型に乗せる距離が足らない。それが、曲げるのに最小の限界が存在する理由です。だったら、「大きく(長く)曲げて不要な部分を切ってしまえ。」これで解決です。どうしても設計上必要な長さがある時は必ずあります、そんな時のために「できないことではない」ということを理解しておきましょう。

曲げ後CUT

切る方法はいくらでもある。

本当にいろいろあるんです。形状・板厚・材質がネックなんですが、いつもお話ししている「どうしたいか?」の要求値をしっかり決めておきましょう。

切る方法。

切るイメージは、削る・切る・抜き落とす。方法についてはお任せが一番なんでしょう。板厚の薄いものは、メタルソー(鋸のようなイメージ)できるのもありですし。板厚が厚くなると、「切る」より「削る」イメージが強くなり、サンダーで削ったり、フライスで削ったりする方法になります。形状・材質・板厚を判断いただいて工場で選択いただくのが良いかもしれません。数量によっては、簡易型(プレス型)を作って、希望通りの寸法で曲げる手もあります。
※曲げでは作れない形状も、プレスでは作れる可能性があります。

コストが高くなる。

プレスの話は置いておいて、加工が増えればコストは上がります。原点の戻ったお話になってしまうのですが、「本当にその寸法が必要か?」考えてみましょう。大きく曲げてから切る方法が、あまり情報として出回らないのは、その製品の半分以上のコストが切るコストになる可能性があるからです。

数が少なければ自分で切る。

DIYや1品モノの製品などは、時間がかかっても自分で加工する方法もあります。最近は100円均一でも金属用の鋸が販売されていたりします。数が少ない場合に限りますが「じっくり、ゆっくり」自分でカット。ありです。
数が多い場合はオススメしません。加工に個体差が生まれますので製品の利用に不具合が出る場合があります。

まとめ。

ここまで書いていても、「できるのであれば」金型で曲げれる範囲の設計をオススメします。わたしも経験はありますが、「どうしても…」はあるんですよね。今回のお話は、そんな時のための裏技的な話です。乱発する考え方ではないのでご注意ください。いつもの話ですが、迷ったら相談できる工場があるのが本当はいいのですが、中々…そんな時は、希望の形状で図面をだして、「この寸法曲がりません…」などの話になったら「なん㎜だったら曲がります?」聞いて歩み寄る値を探るのも1つの手ではないでしょうか。

設計のツボ曲げ

Posted by クロ