【2022年】初心者のためのISO目的と存在価値
モノづくりを考えるとISO9001・14001と聞くけどよくわからないのが正直なところではないでしょうか。製造業に努めている方でもないと理解は浅いと思います。
今回は、深くはないけど知っていて損のないISOを解決していきます。
ISOの目的や存在価値は?知っているようで知らない部分を解説します。
今回はこのような目線で見ていきます
- ISOの目的
- ISOの存在価値
- 製造業から見たISO
- 取得のハードル
- ISOを意識した製造依頼先
ISOのちょっとだけ難しい話
そもそもISOとはスイスにある非政府機関で国際標準化機構の事です。
正式名称はInternational Organization for Standardization団体の名前だったんですね。
ISOで有名なのは 9001(品質)や14001(環境)、20000(ITサービス)、27001(情報セキュリティ)などがあります。
ISOの目的
ISOは沢山の規格があって、ネジの規格や非常口の表示規格・磁気カードの規格など多数の規格があります。
元々は「世界中で同じサービスが円滑に提供できるように」と言ったところから作られた規格です。
例えば(割と知られていないISOの規格)
- どこの銀行ATMでも色々様々な銀行カードの取り扱いができる。
- 買い物・飲食で多数社のクレジットカードが読み取れる。
- 遠くから見ても非常口が分かる。 等々
※但しネジの規格ののように、日本はJIS規格と呼ばれる代替えの規格が先行しているものもあります。JIS規格の前では、ISO68(ISOでのネジ規格)が、擦れてしまうものもあります。
ISOは、沢山の番号管理された規格はあるのですが
基本は「世界共通の円滑なサービス」ここがターゲットになります。
ISOの存在価値
今現在、純国産でモノづくりを行える企業・製品は非常に少ないといえるでしょう。
組立は日本だけど、部品調達は海外。このような事は当然で、純国産だと思っていても見えない部分で海外の製品(部品)を使っている製品も多いです。
この現象は日本だけに限らず、全世界で起こっていて、各国の様々な企業をつなぐために作られた規格がISOと言ってもよいでしょう。
私は製造業に携わっておりますので、製造業の観点から言いますと図面の書き方からISOの書き方があります。
書き方(表示の仕方)を規格化する事により「円滑に海外での製造も可能になる」ということに繋がります。
仮にISOを無視したオリジナルのルールで製品(図面)を作ろうと考えた場合、いくつもの問題点が発生し要求した製品が手に入らないくなる可能性も出てきます。
ISOのルールに法る事により、国際的なものづくりができるようになるのです。
製造業から見たISO
よく聞かれるのですが、ISOを取得・未取得で何が変わるのでしょうか。
製品の価格や、品質、納期については?こんな疑問に答えるために少しだけISOを勉強してみましょう。
簡単にISOについて勉強しよう
先ず、製造業におけるISOは、9001と14001が重視されます。
ISO9001とは品質マネジメントシステム
ISO14001とは環境マネジメントシステム
品質・環境については言葉の通りなのですが、マネジメントシステムについては聞きなれない方もいらっしゃるでしょう。
簡単にいうと、管理するための規定(ルール)を設け手順を作り運営していく。これがマネジメントシステムです。
9001につきましては、高い品質レベルを保つためにルールを作り、管理するための規定を設け、手順を作り運営していく。
14001については、あらゆる環境を配慮してルールを作り、管理するための規定を設け、手順を作り運営していく。
かみ砕いた話となりいますが、このような理解で問題ないでしょう。
品質について
ISOはルール作りの上で必ず「こうしなさい」と言った決まりごとはありません。(エビデンスを残すルールは別です。)
取得する会社が自社で品質について、最良とされる事項を決定していきます。そんな中で、ISOを取得している会社の殆どが検査記録を残しています。何か不具合があった時の安心感は大きく変わってくるかもしれません。また、データ管理などのルールを設けている会社さんも多いので、「リピートオーダー」等の対応も安心して依頼できるかもしれません。
納期について
納期について大きな差はないと思われます。ですが、ISO取得会社はISOの中で、納期回答・変更の依頼についてルールを取り決めており、安心した納期管理を行える可能性もあります。
ここでいうISOは、円滑にモノづくりを進めていくためのツールとして機能するかしないかが問われます。
例えばISOを取得している会社の場合どこもそうだと思いますが、不具合品の製造に対して対策をを取ります。聞き取り、検証、対応、報告書などを作成して対策を取るでしょう。ISOは会社運営のツールですので、製品のコストに大きく左右するようなことは考えにくいです。何故なら、取得した会社のツールだからです。
取得のハードル
ISO取得には大きなハードルがあるのは事実です。その内容とは…
ISOの取得・運営には膨大な時間が必要です。
初期段階では、ルールの資料作り・社内の教育・ISO承認・年1回の更新と、ISOを取得すると多くの時間が必要になります。初期の取得資料作成で数カ月、取得後も毎月資料の整理、年に一度の結果報告。更には更新監査。数十人、数百人の会社であれば情報の統一や国際的なモノづくりへの参加メリットはあります。ですが、国内商品を専門としていたり、10人以下の製造業では取得メリットが薄くなり非常にハードルは高いといえましょう。
ISOを意識した製造依頼先
ここでご理解頂きたい話があります。
よく聞かれるのは、「ISOを取得していないとダメな工場なんですか?」と
これは全く違います。
私はよく、たとえ話として「お箸」の話をします。
毎日の食事を長い「菜箸」を使って食事される方はいないでしょう。使いづらいですから。
逆にお料理をされるのに普通の「お箸」は使いにくいです。これと同じで工場選定も適材適所に近い選び方があると思っています。
例えば取得工場へは、量産品、未取得工場へは、個産品このようなイメージはいかがでしょうか?
まとめ
ISOは、国際的なモノづくりを行うために作られた規格で、多数の取得企業より同じサービスが円滑に受けることができるよう作られています。その取得に関しては各企業の営業体制により必要性が変わっていて取得不要対象となる企業もあるでしょう。一時期「ISOを取得しないと仕事がなくなる」などと言われた時期もありました。ISOの言葉が先行してしまい、本来の目的や存在価値が伝わらずに言われていた時代です。目的や存在価値が浸透していくうちに世の中の理解が深まり「現在はISOを取得したが辞めました」といった企業も少なくありません。
ISOは、国際的なモノづくりを行うための管理するシステムです。
是非時間があれば、今度はISOの管理方法やルール作りについてお話しできればと思っています。
5/18 ISO9001・14001の運営・取得に対する一番簡単な考え方
ISOの資格取得は、ものすごいボリュームです。
外部機関のコンサルへのご相談も近道の一歩です。