【いまさら聞けない】切削加工の種類・旋盤・フライス・マシニングの特徴
CADの普及により、実際の加工方法が分からなくても、「図面は書けるし」「設計もできる」更に加工依頼もできる時代です。ではなぜ今更加工の種類?と思っていませんか?
加工が分かるとコストが下がる。これが答えです。
実際に加工機を動かす必要はないのですが、加工機のできることを理解して設計すると色々な部分でコストを下げることが可能です。
今回の線はこちら
- 切削加工とは?
- 加工方法は2種しかない
- 旋盤加工機の種類
- フライス加工機の種類
切削加工とは?
切削加工は、母材と呼ばれる材料を削り、欲しい形状にする加工の事です。
欲しい製品より大きな材料(母材)から製品を削りだします。仮に間違えをしてしまい、材料(母材)が大きいうちは修正も可能ですが、欲しい製品より小さくなってしまった場合は修正が難しい場いいが多いです。
切削加工のメリットとしては、板金加工に比べて精度の高いものが作りやすいです。
切削のコストは、削る時間=量 にもなるので、あまり大きな母材(材料)から削りだすと割高になります。また、切削の母材(材料)は、注文を受けてから発注する場合も多いので、今日の明日納期などは、余程付き合いの深い工場でもないと難しいかもしれません。
加工はできても、母材(材料)がないとなるからです。
加工方法は2種しかない。
大きく分けると切削加工は2種類しかありません。
旋盤加工とフライス加工です。この二つの加工機に様々な追加機能が付くことによりより多くの加工が行えるようになるのです。
旋盤加工
母材(材料)が回転し、そこに切削用の特殊工具の(バイト)を当て製品を削りだします。
主に丸いものを得意としています。
フライス加工
切削用の特殊工具(フライス・エンドミル)が回転し、母材(材料)を削りだす加工です。
機械部品が主流でしょうか。
旋盤加工機の種類。
旋盤加工の加工機は、手動の加工機の他に、NC旋盤・CNC旋盤と呼ばれるものが一般的です。
手動の加工機
特殊工具(バイト)を人がレバーやダイヤルを使いコントロールし加工を行う加工機です。
NC旋盤
加工機に数値を入力するパネルがあります。そのパネルに数値入力することにより、特殊工具(バイト)をコントロール加工を行います。
CNC旋盤
加工の動きを事前にパソコンで作っておきプログラムを送り込むことにより自動で加工を行う加工機です。(CAMデータなどと呼ばれます。)
フライス加工機の種類。
フライス盤も旋盤と同じように、手動フライス盤・NCフライス盤は存在します。旋盤と同様、手動フライス盤は人が、NCフライス盤は、データの入力により制御加工が行えます。
旋盤と違うのは、第三の加工機の部分です。マシニングセンターと呼ばれATCが実装されています。
急に難しくなったように感じる方もいるかもしれませんが…
ATC(automatic tool changer)とは、自動工具交換装置の事です。
ATCが実装されることにより、人が何度も特殊工具を付け替えねばならない作業がなくなり、長時間の自動運転が可能になるなどのメリットも生まれてきます。
マシニングセンターの定義
- 1回の設定で多くの複合加工ができること。
- CAMデータを読み込み加工が行えること。
まとめ
旋盤は母材(材料)が回転して加工する。フライス・マシニングセンターは、特殊工具が回転して加工する。これは加工の大きな特徴です。覚えておいて損はないでしょう。
あなたの利用されているCADには、簡易的なものでもCAM機能はないですか?最近のCADは、かなり精度の高いCAMを実装していますので少しプログラムしてみるのも面白いかもしれません。個人の勉強用で無料で提供いただけるAutodeskさんのFusion360なんか面白いかもしれませんね。
別な機会にお伝えしたいこと
- 切削加工で加工を考えた設計(コスト削減)
- Fusion360での切削CAMデータ作り
- 3軸・5軸マシニング