CAMはどこまでできる?これからの板金加工に必要な人員は 職人⇒CAMオペレーターへ

こんにちはクロです。
板金加工工場って!今も職人仕事だと思っていませんか?
実際、一昔前まではそうだったんですが今は変化しつつあります。
この記事を読んでくださる皆さんも理解されているとおり、モノづくりにおいては本当に身近になってきています。ネット通販で金属部品のオーダーメイドができたり、近場のホームセンターであらゆる部品が手に入ったり・・・
そのような商品に素早く対応していくためにも、今までの職人さんに頼った方法では追い付かなくなってきています。そこで近年進化しているのは CAM(コンピューター支援製造の略語)どこまで進化しているのでしょう。
CAMを知ると大事なものが見えてくるかも

CAMどこまで自動化できる

先ずは板金工場において、どんな工程があってCAMで何ができるかを考えてみましょう。

工程の洗い出し対応状況

実は大きく分けると板金工程はそんなに多くないんです。

加工データを作る (CAD・CAMです)

  • 切る レーザー加工・タレパン加工
  • 曲げる ベンダー加工
  • 溶接する 

大きく分けると、この3つです。

事前にお話ししておきますが、この工程はすべてCAM対応できます。
※条件や要求値により対応しない方がコストが抑えられる場合もあります。

切る レーザー加工/タレパン加工

  レーザー加工やタレパン加工は昔からCAMにお世話になっていた部分も多々ありますが近年大きく変わってきたのは、自動材料投入・製品自動搬出・自動金型交換などです。
特に自動金型交換については、「金型の取り間違い」をなくすことができます。
タレパン加工における金型は、パンチ(上型)と台(下型)をセットで使うのですが、台(下型)は加工する板厚によって変更されます。人の手で交換だと「Wチェック」や「指さし確認」と不安定な作業になり場合によっては、品質・コスト・納期に影響が出るかもしれません。自動金型交換はその点の不安を取り除いてもらえる設備です。

曲げる ベンダー加工

CAMでできるのは加工シミュレーション・自動金型交換・自動搬送の3点です。

  • 加工シミュレーション PCのソフトで実際に曲がるか・曲げる順番などを決め オペレーターはそのCAM情報を呼び出すだけになります。
  • 自動金型交換 ベンダーの金型は重いです。小さい金型(100㎜程度)は別にして500㎜超えるとかなりの重量があり、落下・ぶつける・破損など危険作業でもあります。保管中に何か落下させ傷をつけるリスクもあり、自動金型交換は作業中も保管中も金型を守ってもらうことが可能になりました。更にCAMで金型交換を制御することにより、知識がなくてもデータを呼び出せれば誰でも作業が可能になります。
  • 自動搬送 今まで人が一つ一つ行っていた作業をすべてロボットアームが行います。製品を 掴む⇒曲げる⇒持ち替える⇒曲げる⇒完成品置き場へ置く

メンテナンスは有人ですが、製造は無人加工です。

溶接 ロボット溶接

CAMで作ったデータを呼び出し、製品をセットしてしまえば、指示通りに溶接を行ってくれます。

切る・曲げる・溶接するこの工程は現在すべてCAMが対応していてCAMソフト上ですべてシミュレーションが行えます。

モノづくりはPC上(CAM)で殆どのことが行える時代になってきました。
ですが、加工機を動かすためのCAMは一般に販売はされていませんし、とても高額です。

3Dデータの活用と2D図面の活用

最近増えてきているようですが、3Dデータ有の依頼の場合少し安くなるような話ありますよね。それってCAMにデータを送り込むためにデータを作る必要があるからです。事前に依頼者から頂ければ、それに沿った加工シミュレーションからスタートでき為、手間が省けるコストも…なんて話です。

CAUTION

3Dデータに寸法公差が入れれるのは、同じCADを使っているのが条件です。一か所でも特別な公差を入れている場合は2D図面を添付したほうが良いかと思います。私の場合、特殊な公差や特別伝えなくてはいけないことが無いかどうか確認するためにも2D図面は出しています。

まとめ

CAMを使うのは依頼者ではありません。工場の方々です。
今までは図面を見て ああだ・こうだ… こんなの感じがモノ作りだったのかもしれませんが、今はCAMを扱えるオペレーターがモノづくりを行っていく時代に切り替わってきています。
今後、納期・品質・コストの面からも3Dデータでの依頼は依頼者に有利になると思われます。

Point

ここ数年のCAMの進化は人手不足である製造業の根底を変えるような動きになっています。しかし、実際はCAMに対応した設備を導入するには、高額な資金が必要だったりして浸透しきっているようには感じられません。
更に作業者の高齢化によりCAMが受け入れられにくくもなっているのも現状です。
私は考えます、今は先人たる知識も経験も必要な時代ですが、このバランスが数年で入れ替わりモノづくりはCAMオペレーターが殆どこなしていくことになるのではと。切削工場では、もうすでに始まっていますが…

コスト管理コスト

Posted by クロ