【板金設計】気を付けて、板厚以下の穴コストが上がっても本当に必要?

こんにちはクロです。
ごく稀な話なんですが、板金加工で板厚より小さな穴を開けるような図面をいただく事があります。本当に必要なんでしょうか?コストに反映しても大丈夫?
今回はこんなお話です。

加工するを前提に具体例を考える。

条件は一つ、板厚より小さな穴をあける。その場合、加工方法はいろいろと考えられるが、可能であれば以前ご紹介したレーザー加工やタレパン加工を行いたい。

レーザ加工の場合

レーザー加工で板厚より小さな穴を開けようと加工を行った場合


レーザーの軌跡が円を描いている最中に熱がこもり、切ったところを溶かすなど、安定した加工が難しくなるため、あまり好ましくない加工となります。

切る工程としては⇒ピアス⇒アプローチ⇒外周 となります。(赤線)

レーザー加工は切り始めにレーザーを一点集中し穴をあけ、そこから外周を切っていきます。 一点集中した穴をピアスと呼び、ピアスから外周へ向かう軌跡をアプローチと呼びます。

Point

外周上にピアスを置くと外周が溶けてしまい、円が変形してしまうため、ピアス加工・アプローチの加工を行います。

タレパン加工の場合

タレパン加工の場合は割と単純です。
板厚以下の金型で抜こうとした場合、金型が破損する可能性があるため工場としては加工をやりたがりません。

そのほかの加工

いろいろと考えつきますが…
例えば、単純にボール盤
手加工での加工となります。
加工に問題はありませんが、工程が増えるのでコストがかさみます。
※何をしても同じで 工程が増える=コストが上がるとなります。

まとめ

加工ができないわけではないが、あまり好ましくない。
なので、板厚より小さな穴の設計は行わないように心がけるとよいでしょう。