【薄板板金】【厚板板金】何が違う?使い方は・加工法は?設計によって依頼先も変わる。
こんにちはクロです
ネットで検索したりすると、「精密板金」とか「薄板板金」とかの言葉を見たりしませんか?
設計者は、どこで?どうやって?使い分けているの?なんて疑問に少しお話してみます。
薄板・厚板に明確な規格はない
先ず、薄板・厚板は、板金の厚さを表しています。
いつもお話ししているJIS規格(日本産業規格)の中では、〇㎜から薄板・〇㎜から厚板といった定義はありません。私の経験では、5.0㎜~6.0㎜が境目のようで
6.1㎜以上は厚板・6.0㎜以下は薄板と呼ばれているようです。
更に工場によっては、3.0㎜以下の板金加工で公差が0.1~0.2㎜の加工を精密板金と呼んでいる工場もあります。
設計者から見た薄板・厚板の使い方
基本的には強度を中心に使い分ける傾向にあります。
薄板板金 カバー・蓋・ステー…
厚板板金 架台・フレーム・荷重のかかる部分…
また、板金は同じ面積の物でも板の厚さによって重量が変わります。100㎜×200㎜の長方形の板があるとして t=1.0㎜の場合 0.157㎏ t=2.0㎜の場合 0.314㎏ となり板の厚さが変化すると重さも比例して重くなります。持ち運ぶ製品・移動させる製品には板厚の厚いモノは適さないと考えられます。
加工設備について
板厚の違いは、加工設備の違いにも見て取ることができます。
※場合によってはお互い加工ができない場合もあります。
薄板板金工場
切る⇒レーザー加工・タレパン加工
曲げる⇒ベンダー加工
溶接する⇒TIGやCo2など
移動する⇒台車・箱などで移動が可能
公差の厳しい要求がある場合がある
厚板板金工業
切る⇒レーザ加工にしても高出力な加工機が求められます。
カード レーザー
曲げる⇒高い圧のかけれる加工機が必要
溶接する⇒重量の関係製品移動が難しいため溶接機の移動が容易になっている
移動する⇒工場内に大型のクレーン設備が必要
公差はわりと緩め
※厚板板金工場は、鉄工所などと呼ばれる場合もある。
まとめ
なんにでも得意不得意はあります。薄板板金・精密板金は板金工場へ、厚物板金は鉄工所へ依頼できるとコスト面でも下がる傾向にあるでしょう。また、鉄工所ではアングルやチャンネルといった鋼材での加工も取り扱っているところも多く大型設備の依頼の際は力になってくれること間違いなしです。あなたが利用されたいのは薄板板金工場ですか?それとも厚板板金工場ですか?