蝶番・設計前の選定 あまり知られていない基礎情報

2022-06-30

蝶番の選定方法理解されていますか?
サイズや形状選定の前に、蝶番にも利用方法を目的とした設計が行われていることを考えたことはありますか?機能はするけど目的に合っていない。開閉するけど上手く閉じない。
閉じてはいるが、選んだ蝶番で大丈夫なのか不安。そんな事はないでしょうか?
サイズは、開閉物の大きさ・重量に対応させるので一概に「これ」と明確な答えは出しにくいのですが、形状や目的から、よりベターな製品を選定することは可能です。

CAUTION

当ブログでは、蝶番(ちょうつがい)・丁番(ちょうばん)・ヒンジ(hinge)をすべて同じ目的の製品を表す名称として話を進めていきます。今後、蝶番として表記してまいります。

今回の目線はこちら

  • 第一選択 - 内蝶番・外蝶番
  • 第二選択 - 取付方法
  • 第三選択 - 組込蝶番・組付蝶番
  • 第四選択 - 一般的な選定

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第一選択 - 内蝶番・外蝶番

まず初めに、内蝶番と外蝶番の違いを理解されていますか?形状や利用目的です。
そもそも、内蝶番・外蝶番とはどういった目的の使い分けなのでしょうか?

内蝶番

言葉の通り、筐体の内側に取り付ける蝶番です。筐体の内部に取り付けられているので、外部からのいたずら防止に長けています。ですが、筐体内部といった見えない部分に取りつけるため、少し面倒な設計が必要になる場合があります。
蝶番メーカによっては、筐体本体の形状や扉の形状の参考図を提供していただける企業もあります。
※家電は多いです。炊飯器・冷蔵庫。電子レンジ・・・

外蝶番

筐体の外側に取り付けられる蝶番です。いたずらで蝶番を外しても、筐体内部に特別危険なもの(電気機器など)がない製品に利用される。もしくは、特殊な道具がないと外すことができない取付方法にになっている。主に建具などに利用されるたり、溶接で簡単いは外せないような構造になっていることが多い。別な考え方では、取付場所に対してフラットに取り付けることが可能なので、設計時間の短縮・DIYなどでも利用されることが多数ある。

第二選択 - 取付方法

取付方法は主に2種類です。ネジで止めるか、溶接してしまうかの2択がほとんどでしょう。

ネジ止め蝶番

ネジと言っても皿ネジで止めることが多いようです。皿ネジのメリットである、締結後は、製品がズレ難い事から利用されることが多いのかもしれません。
メリットは、取り付ける材質を問わないということがあげられるでしょう。(金属・樹脂・木工)
デメリットとしては、比較的軽量なものを止めることが多く、重量のある扉(可動物)には不向きと言えるでしょう。(ネジの強度・本体の材質に左右されるためである。)

溶接蝶番

言葉通り、溶接で蝶番を取り付けます。メリットは、重量物でも蝶番の大きさをにより固定することが可能です。デメリットは溶接なので金属同士でないと加工ができないということでしょうか。屋外に設置されている変圧器・電設盤などによく利用されます。

第三選択 - 組込蝶番・組付蝶番

聞きなれないかもしれませんが、蝶番を取り付けた後の作業性に左右される項目です。
蝶番は大きく3つのパーツで構成されています。
左右の羽が各1枚で2部品。羽を繋げるピンが1部品の3パーツです。この部品が組付けられているか、そうでないかによって変わってきます。

組込蝶番

既に3パーツが組付いた(1製品になった)状態で売られている製品です。割と小型のものが多く価格も抑えられています。組込蝶番は、ネジ止め蝶番の方が種類が多いでしょう。
理由として作業性が悪いからです。内部のメンテナンスの時は、ネジを外すことにより作業性はアップしますが、ネジの摩耗・消耗に注意が必要になります。もう一つの注意として蝶番への塗装が難しいです。塗装後蝶番部分だけ、塗膜が割れる可能性があるからです。

組付蝶番

3つのパーツがバラバラになっているのが標準の状態です。街中にある変圧器・電設盤などは、中になにも入れなくても十分重量があり作業性が悪いです。その場合「本体に羽を溶接」・「扉に羽を溶接」塗装なども終わらせ、ある程度形になった後に、本体と扉を組付ける事が可能です。完成品として蝶番部分にも塗装する場合は、組付蝶番を選びましょう。

第四選択 - 一般的な選定

この段階で初めて、カタログやホームページで情報を探すことになるでしょう。
蝶番には多数の種類があり、特殊な製品も多いです。機械的な蝶番なのか、建具的な蝶番なのかによっても種類が多数あります。平蝶番・裏蝶番・抜き差し蝶番・段付き蝶番・長蝶番、一般的な製品だけでも多数あるのです。

まとめ

蝶番は、既製品でも多くの種類が販売されているので、選定に迷うところも多数あります。各メーカーも選定ツールなどの提供もありますが、今回お話しした、機能設計に係る部分までは網羅していただけていないようです。このようなお話は、構想設計段階で出てくる話のすぐ先にある話で、しっかりと練られていれば問題のない話なのですが。図面を頂いた段階で、組込蝶番で焼付塗装の指示があったり、重量のある扉をネジ止めで固定しようとしていたり、後に設計変更をしなければならない場面も多数あるのが現状です。
急ぎの設計変更で、時間を取られる・組み込んだら隙間がある・扉が閉まらない・・・などがないよう、選定は大事な事とご理解ください。

設計のツボCAD

Posted by クロ