公差がないとモノづくりができない!金属加工における公差の初歩
こんにちはクロです
今日は公差のお話し
モノづくりにおいて公差がないととっても大変なんてお話です。
モノづくりにおける公差とは
指定された寸法の 最大値 ~ 最小値 の差のことです。(難しいな…)
例えば、図面上に 15.0㎜±0.5と記載があった場合 14.5㎜~15.5㎜の寸法で製品ができていれば合格!となります。
この場合
公差は 0.5(+方向分)+0.5(-方向分)=1.0㎜
各方向への差を許容差と呼びます。
なぜモノづくりで公差は必要?
公差がないとモノづくりが難しくなる(高額に)からです。難しいですね…紐解いていきます。
公差がない場合 15.0㎜ と記載されている寸法には 15.0㎜の寸法でモノづくりを行います。(当たり前ですけど…)問題なのは15.0㎜ピッタリで加工する加工機が無いからです。
実は加工機にも公差があって、以前お話ししたレーザー加工機も精度±0.03㎜なんてのは当たり前ですし、タレパン加工機も同じです。当然出来上がりに誤差・個体差が生まれます。その分を吸収するために公差はどうしても必要なんです。
公差が厳しいとどうなる?
世の中にはモノづくりに限らず、許容範囲(公差)を設けられている数字がたくさんあります。最低限必要な部分だけで、管理で最大限の効果を求めようとしているからです。ですから、今あなたが作ろうとしているモノが効果を最大限発揮するためにどうしたら良いかを考える必要があります。
例】最近よく目にする体温計。1/100まで出たらどうなると思います?
仮に 38.52°こんな結果が出たところで病院に行ったり・薬を飲んだりするのが当たり前で1/100である0.02°の部分はどうでもいいことですよね!1/100まで出す為には、
- 体温計の表示が、もう一桁必要
- 感度の高いセンサーに変更
当たり前のことですが、体温計じたいの価格が上がる可能性があります。
表示しても得られる効果は少ないのに…
体温計の例もありますが、色々な許容範囲(公差)と比べると答えは出やすいかもしれません。勿論、厳しい公差を一点だけ入れることも可能です。
厳しい公差でのモノづくり
公差の厳しいモノづくりは、精度の高い加工が要求されます。
精度の高い加工⇒精度の高い加工機が必要⇒加工機の価格も高い⇒チャージも高くなる⇒コストが上がる
過剰な場合あまり良い結果とは言えません。
加工だけではなく検査機器も
皆さんの手元にある定規は、1.0㎜単位で目盛りが刻まれているんのが当たり前だと思います。ですが、私の手元には0.5㎜単位のメモリが当たり前です。
1.0㎜の定規で0.5㎜は計測できません。厳しい寸法公差を入れると精度の高い検査機も必要になり、この行為もコストを上げる要因になります。
モノづくりの公差どうやって決める?
熟練の設計者であれば、製品の仕様より決定することは問題ないと思います。
ですが、皆そのようなわけにはいきません。
そんな時、私の場合ですが いくつかの確認事項を儲けさせていただきます。
- 何をするためのものか?
- どこで使うか?
- 図面があるなら金属加工に限らずすべて見せてもらえるか?
- 選定している部品にどんなものがあるのか?
あとはその打ち合わせの内容次第で…
基本問題がなければJISの一般交差・中級で良いかの確認を取ります。
金属加工・板金加工において殆どの製品がクリアーできる可能性が高いからです。
問題点を少しだけ
何かに嵌め込む製品
毎分〇〇〇回転する製品
嚙合わせる製品 などなどです
まとめ
モノづくりのおいて公差は重要です。
過剰に厳しい公差を入れるとコストが高くなったり、緩めすぎることにより良い結果を生まない場合も考えられます。金属加工・板金加工はその製品によって重要な部分が全く違う可能性も高いので工場担当者の方と十分相談されることをお勧めします。適正な公差をご指示ください。