設計でコストを下げる精度の話

「精度」精密さの度合い考えていますか?
精度は公差につながる部分でもあり、加工しやすさやコストに大きな影響を与えることもあります。場合によっては依頼先も限定されたりしますので注意が必要です。今回は、適正な制度の重要性を考える事を中心にモノづくりを考えていきます。
今後の設計業務の際、何かの足しにご注いただければと思います。

今回はこのような目線で見ていきます

  • 精度とコストの関係性
  • 加工後のフィードバックがコストダウンにつながる
  • 精度の目安

スポンサーリンク

精度とコストの関連性

精度を高めるために必要なものは、加工機と計測器です。
0.1㎜単位でしか加工できない加工機で0.01㎜の精度は出ません。そこには同様に、0.1㎜・0.01㎜の計測ができる計測器がそれぞれ必要になります。
例えば、計測を行うために「ノギス」を用意したとします。
0.1㎜単位の計測可能な「ノギス」と0.01㎜単位の計測が可能な「ノギス」では入手価格が違います。極端な話になりますが0.1㎜単位であれば100均でも購入可能です。0.01㎜となると「デジタルノギス」となり価格も数千円からとなるでしょう。
加工機も同様で、0.1㎜単位の加工を行う加工機と0.01㎜の加工を行う加工機では価格が変わってきます。実際の設備投資は加工会社が行うのですが、その差は当然製品の価格に反映されます。手元にある図面が0.1㎜単位の指示しかないのに「微細加工」などを得意としている会社さんにお願いすると思わぬ価格が出てくるかもしれません。

加工後のフィードバックでコストダウン

設計者の方が最後まで組付けを行うというのは、業務としてあまりきかないです。あっても少数でしょう。しかし、そこにコストダウンの可能性が埋もれている場合もあります。

注意すべき点

  • 過剰な精度になっている場合がある。
  • 組付け時の不具合連絡がこない。

組付け現場では各部品のリピート性が分かりません。その為、重要な情報が滞り、都度同じ手直しを行ったり、過剰な精度加工を行ってしまう場合があります。
※外注での組付けなら尚更ですね。

各部品の加工フィードバックは、可能な限り入手できる方法を常に考えておきましょう。

精度の目安

以前、当ブログでも公差のお話をしたかと思います。公差はモノづくりにおける必ず必要な差異です。精度を決める際、一つの目安として公差を使うことをお勧めしています。

公差は一般交差と言われる、JIS規格で決められた数値があります。
JIS B 0405:1991/JIS B 0419:1991 です。(ご自身の見やすいページを検索してください。)
表記の中には、切削加工・プレス加工・板金加工の公差が詰まっていますので確認してみてください。

まとめ

製品には適宜対応した寸法精度があります。過剰な指示が入ると見えないところでコストが上がったり、適正でない加工工場へ依頼すると、ここでもまたコストに影響が出る可能性があります。設計者に経験値が必要になるのは、このような部分もあるからです。
モノづくりには、バランスが必要です。需要・魅力・スペック・コスト、、この4つのバランスが製品の価値に繋がるでしょう。その為の管理項目の一つとしてコスト(精度の管理)が必要です。