【板金加工】曲げRの〇△×! この設計がコストに反映する。曲げRの指示!

こんにちはクロです。

板金加工における曲げR指示について
 〇安くなる
 △好ましくない
 ×高くなる
この部分を考えてみましょう。

安くなるが一番良い加工なのか考える

設計には機能やデザインなど、安い=良いモノ とは限らない場合があります。
要望がどのラインにいるか考える必要があるのではないでしょうか。
例1】
 人の手に触れる部分なので優しいR形状が欲しい。
例】2
 外装は別に取付、メンテナンスの時以外は人の目に触れることのない部品なので形状優先。

例1と例2は明らかに目的も要求も違います。
先ずは、あなたの要求がどこにあるのか考えて答えを導き出すようにしてみてはいかがでしょう。

安くなる指示とは?正解?

モノづくりにおける指示は、価格を大きく左右する場合があります。
例えば同じような間取りの家も建売住宅と注文住宅では一般的には注文住宅のほうが高いイメージがあります
注文=指示事項が多ければ高くなる、これで正解でしょうか?
ほとんどの事柄は、それで正解なのでしょうが板金加工の曲げについてはルーズな指示によりコストを抑えることもできます。

曲げ加工の指示ポイント!

先に述べたようにモノづくりにはコストがかかっても機能やデザイン上、止むを得ない場合もあります。
十分理解はしているつもりなのですが、少しの気遣いで依頼する側もコストが下がり、製造側も不具合品のリスクが下がる。
WinWinの関係につながる可能性があります。

可能であれば「曲げRは最小Rとする」の指示を!

この指示を出しておけば その工場で材質板厚に合った金型で角度優先で曲げていただけるはずです。
一番安く精度の高い角度のものが手に入るでしょう。

いろいろな曲げR指示

実数で指示を出すなら内Rの指示を!

ちなみに最小Rの指示を出すと参考図1のような金型が必要で、各工場が用意しています。
参考図1 先端部分がR0.2㎜とか2.0㎜

参考図1

内R指示の場合
板金の曲げ加工は、曲げ部分の内側から加圧する力を加えます。内Rの指示であれば、金型は加圧する側の1つで可能です。
金型は上型が必要です。参考図2 先端部分がR1.0㎜

参考図2

外R指示の場合
曲げという表現よりプレスに近いイメージになるため、上型・下型の金型が二つ必要になります。更には金型にしっかり押し込まないと形状ができないため、通常の曲げの5倍~7倍の力が必要になる場合もあります。
金型上下ともに必要です。
参考図3 上下ともに金型が必要で 下型 R5.0㎜ 上型 先端部分 R3.6㎜

参考図3

まとめ

〇 形状重視の安く収めたいなら 「曲げRは最小Rとする」の指示を
△ 機能上止むを得ない場合は   内Rの実数指示
× デザイン性を含む場合は    外Rの指示
冒頭でお話ししたようにどの部分が要求値なのか考えて設計をされると
より良い結果が生まれるでしょう。

CAUTION

今回の記事では考慮されていない部分もあります。
総生産目標数や特殊なRを得意とされている工場などです。
板金加工は 図面の数×工場の数 と言われるほど作り方に方法があるので面白く奥が深いです。それではまた。

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Posted by クロ