板金SECCを見てみたい・どこにある、何に使われている
金属と錆びについては何度もお話ししていますが、錆びない金属はありません。正確に言うと「錆びにくい金属・錆びにくく加工された金属」です。SECCも電解メッキを表面に施すことにより「錆びにくく加工された金属」に分類されます。この特徴は、どんな場面で活躍しているかご存じですか。きっとあなたの家にも多数存在しています。リビングだったり寝室だったりと、しかも何かを分解して確認するのではなく、そのままひっくり返す程度で確認することができるしょう
こういった素材は、本物を「見たり・触ったり」することによりインスピレーションに変化が起こることもありますので、是非「見て・触って」見てください。
SECCがどこにある。
SECCは黒物家電の底面・内部機器に使われている金属がSECCであることは多いです。
- テレビのコネクター挿入部
- ブルーレイプレイヤーの底面
- ハードディスクレコーダーの底面
- オーディオ機器のあらゆる場所
黒物家電と白物家電。
黒物・白物の分け方は、娯楽製品なのか、生活製品なのかで使い分けられています。電子レンジ・炊飯器・洗濯機など、一昔前はお母さんが使う家電というイメージで、このような製品を白物家電。主にオーディオ関連の家電を黒物家電と分けています。
黒物家電にSECCが使われるわけ。
SECCは素材の段階でメッキされています。なので、加工した断面にはメッキがありません。そのため、湿気の多い場所・水を使う製品には向いているとは考えにくいからです。※断面(切った面)から錆びてしまう。
動かさない製品に向いている。
一度設置すると、「設置場所の変更をあまりしない」というのも条件に入ってくるかもしれません。家電でも手に持って利用する製品、よく動かすもの、このような製品は樹脂多く利用する傾向にあります。(少しでも軽く利用しやすくするために樹脂を多めに使う。)触る機会が多いと、触った部分から錆びる可能性があります。
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まとめ。
今回は家電を例に話をしました。
利用時の特徴としては
- 湿度が低い場所で利用される可能性が高い
- 水にぬれる可能性が低い
- 設置後は手で触れることも少ない
黒物家電
SECCなどの素材の段階でメッキ処理されている金属を使う事が多い
白物家電
SPCCなどで部品を作り、その後メッキ処理を行う可能性があります。
今回はSECCを「使うか・使わないか」、「どんな場面で使えて・どんな場面で使いにくいのか」のお話でしたが、素材にはSPHCやSS400もありますので悩ましいお話ですよね。
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