圧延鋼板なんのこと?簡単な加工方法の案内と種類。

板金加工を調べていると、「圧延鋼板」このような文字を見ませんか?簡単でいいので理解していると、SS400・SPHCとかSPCCの理解がより深くなります。専門用語を使わずに、簡単な文章で「圧延鋼板」を覚えちゃいましょう。割と簡単なルールがあって難しく考える必要はありません。どこの情報も同じワードで統一されていればよいのですが、なかなか難しいですね。

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圧延鋼板は読んだまま。

「圧延鋼板」という言葉は、板金素材の作り方を表しています。ここで言っている板金素材とは、板状の板金で、あなたが良く耳にする「SS400・SPHC・SPCC」などの事です。読んだ通りなのですが、「圧力をかけて延ばした鋼の板」これが「圧延鋼板」です。
作られた鋼板は、比較的安価で、プレス・曲げなどの加工に適していて、流通も良いためあなた鋼板で何かを作ろうと考えた時、一番に候補として上がる素材でしょう。

簡単な作り方イメージ。

下図の通り、後ろから素材を入れローラーに圧力をかけ延ばします。このような工程で作られた鋼板を圧延鋼板と呼んでいます。

圧延鋼板
※ローラーは2本とは限らないです。

図は、後方から投入⇒上下ローラーで圧延⇒前面に製品が出てくる。

圧延鋼板は2種類に分かれる。

圧延鋼板の加工方法は大きく分けて2種類に分かれます。その呼び名は、熱間圧延鋼板と冷間圧延鋼板です。

熱間圧延鋼板。

素材を900°~1.200°に熱し(溶かし)ローラーで圧力をかけ延ばします。出来上がった製品は、そのまま素材(販売用・加工用)として利用されるものと、冷間圧延鋼板の材料用として利用されます。

  • 〇 板材の元を作る方法となるので加工後の製品は安価。
  • × 表面に酸化被膜ができる。(クロ皮と呼ばれるもの)。
  • × 冷間に比べ製品精度・加工精度が悪い。

代表的な製品は、SS400・SPHCなどです。

冷間圧延鋼板。

熱間圧延でできた素材を常温(600°以下)で再度ローラーで圧力をかけ延ばします。熱間圧延鋼板を利用して作られる製品なので、通常は熱間圧延鋼板より板厚が薄い製品のラインナップとなります。

  • 〇 表面が滑らか。
  • 〇 製品精度・加工精度が良い。
  • × 熱間圧延鋼板の再加工のため、製品価格は高いです。

代表的な製品は、SPCCです。

まとめ。

圧延加工の方法は、字の通りに圧力をかけて延ばす、その工程でできた鋼の板を、圧延鋼板と呼びます。その圧延方法は、熱間と冷間に分かれ、どちらもメリット・デメリットがあります。冷間は、熱間を材料に作るので高い。それでも2度も圧延するので精度が良い。このようなイメージでしょうか。

ワンポイント

材料選定の際に製品精度のため、精度の高い冷間圧延鋼板を利用する。精度は不要なので、安価な熱間圧延鋼板を利用する。選択方法はいろいろありますが、冷間・熱間を混ぜて利用する場合は、考える必要があります。2種類の素材を使うことは、加工する時に、2回の段取りが発生します。段取りはコストです。時にどちらかに揃えたほうが安くなる場合があります。

設計のツボ材質

Posted by クロ