縞鋼板の基礎知識(チェッカープレート)種類・加工先
縞鋼板の「何か基準がるんですか?」そんなあなたにお答えしたい。縞鋼板の基本情報。毎日のように誰もが目にしているけど、特に気にしたことがない、これ正解ですよね。でも実際使おうと思った時、思っているより情報が少ないのが縞鋼板なんです。種類・加工の基準はどこにあるんでしょうか。
縞鋼板の基礎。
「はぁ~い」いつものお話からしていきます。縞鋼板の呼び名ですね。縞鋼板・縞板(シマイタ)・チェッカープレートこんな感じでしょうか。ネットで調べたりするときはこの3種類で情報が出てきます。
※当サイトでは今後、縞鋼板と呼んでお話を進めていきます。
形状。
板の表面に様々な突起が形どられ、滑り止めの効果が得られる形状を備えています。裏面は何もないフラットな状態で、通常の板材と同じになります。
材質。
材質については、鉄(SS400)・ステンレス・アルミがあります。
板厚。
先ず第一に、縞鋼板の特徴である突起部分の高さは、板厚に含みません。突起のない部分を計測して板厚とします。そして、各材質によって厚さの幅が異なります。
- 鉄 2.3㎜~12.0㎜
- ステンレス 2.0㎜~6.0㎜
- アルミ 2.0㎜~6.0㎜
流通性の良いと思われるものだけをご案内しています。
縞の形状(模様)。
特に規定はなく、製造メーカーオリジナルのものもかなりある。
各材質の利用方法。
素材の種類があるとお言うことは使われるシチュエーションが違うことが多いです。各素材の利用シチュエーションを見ていきましょう。
鉄の縞鋼板。
ご存じの通り、材質の特徴としては「錆びます」。そのデメリットを考えても、他の材質に比べ格安で手に入りやすい材質であることは確かです。利用方法としては、縞の模様にこだわりを持つものと言うより、滑り止めへの要求値が高い製品への利用が多く見られます。スロープ・非常階段・側溝のカバー・駐車場での利用などが多いです、加工後、溶融亜鉛メッキ・塗装なども行うことは可能ですが、あまり美観に注目した製品に利用されることは少ないようです。
ステンレスの縞鋼板。
ステンレスは、ご存じの通り「錆びにくい」材質の代表です。その為、水回りの滑り止めに利用されることが多いです。飲食店の厨房、屋外での点検口の蓋であったりです。常に水に晒される場所や、耐食性の高さからあまり人の目に触れない場所・長期間放置される場所での利用が多いです。
アルミの縞鋼板。
アルミの縞鋼板は、通常の滑り止めの目的の他、唯一美観を重視した製品として利用される場合があります。トラックの荷台やあおりの装飾として使われ、専門の工場もあるほど人気はあります。突起形状へのこだわりも強い方が多く、4本線・5本線と指定されるお客様もいるくらいです。アルミの軽さがメリットとなり装飾に使われるのでしょう。
加工問題。
金属としての加工は、カット・曲げ・溶接すべて可能ですが問題があります。問題は突起です。突起部分は板としての厚さが違うので、どんな加工でも板金加工の加工機としては得意ではないと言いたいところです。
レーザ加工。
レーザー加工は、厚さの変化する加工は苦手です。レーザー加工機は、板厚の中心を狙って焦点を絞り加工を行います。厚さに変化がある製品は焦点が合わなくなり、通常の加工のようにはいきません。溶けてしまったり・切り切れなくなったります。
曲げ加工。
突起が邪魔で曲げ用の金型が傷つく場合があります。そうなると通常の製品が曲げれなくなってしまうので、縞鋼板専用の金型を用意する必要がります。
溶接加工。
溶接後、縞の突起部分がエッジとなり、怪我をする形状ができてしまう場合があります。その場合、仕上げ加工(サンダーがけ)などが必要になります。
依頼先はどこに。
板金工場でも加工は可能ですが、「やりたがらない」工場も多いです。理由は「加工問題」があるからです。トラックの改造のように専門で行われている工場以外は、板金工場より、鉄工所の方が近いかもしれないですね。「○○製作所より○○鉄工所」の方が相談しやすいかもしれません。
まとめ。
縞鋼板は滑り止めの目的と一部ではありますが、装飾としての利用があります。どちらも、加工には特殊な工具や専用の加工機が必要なわけではないのですが、「やりたがらない」工場も多いです。事前の調査が必要かもしれないですね。