DIY棚(シェルフ)を作るきっかけ 悪条件と設計

前回2×4材利用のご案内したのですが、条件は決して良い状況ではありませんでした。
今回は悪条件を乗り越えた実際のお話をしてみようと思います。

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設計における条件を出す ― 構想設計

実際の設計の場合、大まかに3つの設計のステップを踏んでいきます。
これは設計だけの部分であって、企画・リサーチ・etcは別で考えられ、企画などの部分は構想設計前にある程度固まっている場合が多いです。

今回の場合は、企画段階で上がった内容が

  • オリジナルの棚(シェルフ)が欲しい。
  • 何故なら空間を広く使いたい。
  • 将来、リノベーションするかもしれないので安く済ませたい。

この条件の中、オリジナルで棚を作ろうと考え実行したわけです。

DIYで出来る棚(シェルフ)を考える為の問題点。

材質・利用方法・設置場所の条件・容量・大きさ、色々とあげられるのですが、今回の問題は設置場所でした。12畳で広さはあるのですが和室です。問題点は…

  • 床が畳。
  • 将来はバラしたい。
  • 畳の張替え時、バラしたい。
  • 天井が膜天井。

膜天井とは
非常に軽く柔らかい素材の天井材です。落下して人を傷つけることはないのですが、押すと凹んでしまい後になるほど柔らかい素材です。
※今回の場合、柔らかさはフラワーアレンジメントのオアシスレベル。
 軽く差せば、鉛筆がズブズブ入るレベル。

この条件の中、希望は!

  • 木材を希望したい。
  • 天井近くまで利用して細々したものも整理したい。
  • 50インチのテレビを壁掛けにしたい。
  • TVは将来65インチまで変更可能にしたい。
  • TV面が棚(シュラフ)と一体感が欲しい。

要望に対しての問題点を再度整理。

  • 床が畳で柔らかい。
  • 天井も膜天井で柔らかい。
  • 長押(なげし)はあるが、壁はコンクリート。

壁はコンクリート・鉄骨、床・天井は柔らかい素材、一番大きな問題は設置場所が不安定という事でした。

柔らかい面での出来る方法を探る ― 基本設計。

何か手はないか?ネットで色々調べてみたが、畳+膜天井 での設置情報はありませんでした。「なければ作ればいいんだ!」単純な事です。先ずは取付方法は置いておいて希望の棚を考えてみることにしました。

棚設計

CADで書き始める前に既にイメージがありましたのでCADの作業時間は1時間もかかりませんでした。

再度、要望部分を取り入れ

  • 棚の段数。
  • 枠組みの大きさ。
  • 目的別棚の大きさ。
  • TVとの一体感のため奥行きを2段組み。

設置方法を考える ― 詳細設計

単純な考え方ですが、点で受けるから柔らかいものに穴が開く。面で受ければ力は分散されて受けきれる。これをもとに突っ張り某タイプのパーツを探しました。理由として、完全組付タイプより大幅に組立時間の短縮ができると考えたからです。

設置当時、既に突っ張り某的な使い方での2×4材パーツは多数販売されていました。ホームセンターに行くと数種類の物が販売されていました。その中選んだのは、平安伸銅工業さんの部品でした。
価格的にも利用方法的にもイメージがぴったりだったからです。

上下の突っ張りはこれで問題なし、渡りはどうしようかと考えるとちょうどよい部品が。

イメージの1つに地震の多い国である以上、年数回の締めなおし(突っ張り調整)が必要だと考えていました。簡単増し締めができるのがイメージでした。
半年程度は、増し締め作業で「緩み」を感じましたが、それ以降は殆どありませんでした。

添付の図を見ていただいて分かる通り面で受けるために、床面(畳)・天井面(膜天井)共に面で受ける枕木を設置して組付ける方法を考え、詳細設計から現地確認(自分の家ですが)を行います。

現地確認。

サイズの再確認と切り出す2×4材のサイズ・数量の確認。購入パーツの確認等を行いました。※手書きで重要部分の再確認

現地確認図

材料調達―組付。

2×4材は近隣のホームセンターで調達。組付けパーツはネット通販で購入しました。
組付けように小型の電動ドライバーを用意して、組付時間的には1人で4時間程度で終了。
棚(シェルフ)の裏に電気配線を通して組付設置は1日で完了です。
要望条件だし・採寸・設計・部品選定なども含めても1週間程度で完了しました。

まとめ。

遅くなりましたが、今回の設置場所は家庭の事情で月に1週間程度しかいない環境で、本当に最低限の物しかない場所でのDIYでした。
主として住んでいるわけではないので「お金もかけたくないけど、便利に生活したい。」こんな個人的な要望からです。当初の要望であった細々したもの収納、TVの設置なども含め十分満足点に達しています。更に畳・膜天井の最悪な設置場所でクリア出来たので、その部分での満足感も高いです。

この後(設置後2年後ぐらいでしょうか)、耐震金具の対応もしています。

今回の記事は、畳・膜天井の環境で平安伸銅工業様の LABRICOが必ず利用できる事を保障するものではありません。ご利用時は十分ご注意ください。