簡単板金見積り超基礎編!必要な知識から4辺曲げまでやってみる

こんにちはクロです。
設計中にザックリでも価格がわかるとな?…なんてことないですか?
企業の商品開発であっても、個人の製造部品であっても見積り依頼したら高くて再設計😱なんてことの内容にザックリ!イメージができるといいな!
今回はそんなお話です。

見積りをするために必要な情報を集める

今回のために簡単な条件を作ります。

材質=SPHC 板厚=1.6㎜ 数量1個

形状条件 と 加工チャージ
  • 依頼条件 2D図面 + 3Dデータ 提出
  • 材料費 115円/㎏ ※ネットで調査可能です。
  • レーザー加工 150円/分 仮設定  大きな板金の板より切り出す工程です
  • ベンダー加工  80円/回 仮設定  曲げる工程です
  • 人工チャージ  80円/分 仮設定  作業者の確認時間や製品の保証時間などです

※仮設定部分は個産工場レベルで調整しているつもりです。

工程を分解した考え方

CAD・CAMへ送るたものデータづくり

今回3Dデータがあるので、CAMソフト調整時間として 5分
※プログラム作成費と称する企業もあります。
5分 × 80円 = 400円

材料費用

展開図より ザックリですが♪
縦 50㎜ + 200㎜ + 50㎜ = 300㎜
横 50㎜ + 130㎜ + 50㎜ = 230㎜
最低このサイズの材料が必要ですが…
実際の加工だとロスが必要です
 ※ロス(クズ・カスなどと呼ばれることもあります)の話は、いつかどこかで♪
今回の場合 外周4辺に 各15㎜幅取ります。
縦 15㎜ + 300㎜ + 15㎜ = 330㎜
横 15㎜ + 230㎜ + 15㎜ = 260㎜

重量(kg) = 体積(mm2) × 比重 ÷ 1000000

鉄の取引単位は 1㎏ 〇〇〇円 となりますので。
330㎜(縦)× 260㎜(横)× 1.6㎜(板厚)× 7.85(比重)÷ 1000000 = 1.077㎏ ⇒ 約1.1㎏とします。

1.1㎏ × 115円/㎏ =  126.5円

材料費は126.5円です

レーザー加工費用

レーザ加工は、毎分〇㎜切る=〇〇円となります。
〇が多くあてはめられないのは、材質・板厚により切れるスピードが違うからです。
ですので、 1.000㎜/分 ⇒ 150円程度で考えておけば 薄板板金では問題ないでしょう。
切る長さもザックリ出します。
材料費で計算した 300㎜ × 260㎜ の部分を借りて
300㎜ + 260㎜ + 300㎜ + 260㎜ = 1.120㎜ これが切る長さです
毎分 1.000㎜に計算すると
1.120㎜ ÷ 1.000㎜ = 1.12分
1.12分 × 150円 = 168円 これがレーザーの加工費です。
ですが、作業者の人工が入っていません。 
その分を考えます
図面の確認
材料の投入 
加工済み製品の取り回し
全部で 3分 ⇒ 3分 × 80円 = 240円

168円 + 240円 = 408円

レーザー加工の見積りは 408円です。

ベンダー工程

ベンダー工程もレーザーと同じように
作業者人工代 + 加工費 となりますので
人工代が レーザーと同様で3分 = 240円
加工費が 1曲げ 80円としていますので
80円 × 4回 = 320円

ベンダー工程では、240円 + 320円 = 560円 となります。

合計

プログラム費+材料費+レーザ加工費+ベンダー加工費=
400円 + 126.5円 + 408円 + 560円 =1.494.5円
ここに利益・光熱費・工場運営費などを10%程度プラスするところも多いので
1.494.5円 × 1.1 = 1.643.95円
切りよく 1.650円 での見積りとなるでしょう。

工程が増えれば積んでいくだけ

今回は、ベンダー加工までの見積りですが、他の工程があればプラスしていくだけです。
ほかの工程といえば!

  • 成形
  • 溶接
  • 圧入
  • かしめ
  • 塗装
  • メッキ などなど…

数が増えると有利です

今回は1個での見積りですが、数が増えると有利になります。
有利になる部分は、プログラム費・レーザー加工人工・ベンダー加工人工、この部分は数量で割るため今回の条件で2個作ると…

プログラム費   400円
材料費     126.5円×2個
レーザー加工費  168円×2個
レーザー人工費  240円
ベンダー加工費  320円×2個
ベンダー人工費  240円
     合計 2.109円

2.109円 ÷ 2個 =1.054.5円 (1個)
1個 1.060円 となります。

数量が大きく増えれば人工費用は増えます。
そこのバランスは各工場で差があるので難しい所なのですが…

まとめ

簡単な形状であれば、このような見積り計算となります。
仮に複雑な形状でも、計算する工程が増えるだけで考え方が変わるわけではありません。
日々、見積りをやっていると図面を見ながら電卓片手に!なんてこともできるようになります。先ずは意識するところからやってみませんか?