【覚えて使って】薄板に使うファスナー便利ですよ
「薄板にネジ」このお話は以前させていただいたのですが、少しばかり反響が利ありまして…「もっとタップの山を確保するにはナットの溶接しかないですか?」いやいやありますよってことで、今回は圧入で確保できるファスナーのお話です。
ファスナーって何。
ここのところこの話多いですが呼び方がたくさんあります。スペーサーとかクリンチングなんて呼ぶか方もいらっしゃいますね。これらは商品名で本当はファスナーが正解らしいです。
形状はこんな感じ。
使い方は
- 板に下穴を開ける
- 圧入機(加工機)にセットする
- プレスする
工程はこれだけですが注意事項があります。
対応材質は「鉄・ステンレス・アルミ」とありますが、それぞれに種類が違うので注意が必要です。更に板厚もファスナー次第で対応板厚が違うのでご注意ください。
※メーカー独自のものもあるので確認は必須事項です。
ネジのサイズと長さ。
- ネジのサイズは一般的に「M2~M5」の5種類があります。
- ネジの長さですが3㎜程度から12㎜ぐらいが標準です。
本来ネジのピッチは、「M2=0.4㎜・M3=0.5㎜・M4=0.7㎜・M5=0.8㎜」ですで、バーリングより確保しようとすると計算で長さは出てきます。
4回転以上確保しようとした場合「M2=1.6㎜・M3=2.0㎜・M4=2.8㎜・M5=3.2㎜」これ以上の長さのファスナーを選べば、バーリングよりネジ山の確保はできます。
ファスナー最大の問題点。
ネジを締める時に、「トルク管理が必要」です。圧入で取り付けるファスナーは、力任せにネジを締めると破壊される可能性があるので、トルクドライバーが必須になってくるでしょう。
- 製品の余談
ファスナーは最近、Amazonなんかでも売っています。ファスナーの種類には「ネジのタイプ」もあるのですが、今回は「板にネジを…」ですのでネジ形状の話は無しです。
形状と目的。
形状は画像から確認いただけると思うのですが2種類あります。そして製品の背面から圧入するタイプは、ネジが貫通するタイプと、途中で止まるタイプの2種類があり、全部で3種類からの選定になります。
- 圧入する方向で違う2種類
- 背面から圧入するタイプは2種類ある
圧入の向き。
前から圧入するタイプは、単純に基板などの固定に使い「高さが欲しいことを目的に利用されます。」価格も割安で利用しやすい製品です。背面から圧入するタイプは、フランジがあるので、手前に引く力をかけることができます。そう考えると利用方法が変わってくるのかもしれません。
ネジが止まるタイプ。
貫通するタイプは普通のナットなどと同じ対応になるのですが、貫通していないタイプは目的が少し変わります。
- ネジが貫通して背面に存在する部品を傷つけない
- 長いネジとの付け間違い防止
- ネジ先端の汚れ防止
ここが気にならない場合は、貫通タイプを選んで問題ないでしょう。
まとめ。
種類も多いファスナーですが、選定方法が間違っていなければモノづくりの強い味方です。
- ネジのサイズは「M2~M5」
- ネジ部の長さは「3㎜~12㎜」
- 圧入の向きは「前からと背面から」
- 圧入可能な素材は「鉄・ステンレス・アルミ」
- 形状でのタイプは3種類
但しご注意ください「高トルクはかけれない」。